金属スクラップ解説(アルミ編)|アルミスクラップの特徴・種類・具体的売却先を徹底解説!

こんにちは、非鉄ナビ運営事務局です。
本日は前回から引き続きの金属解説のアルミニウム編です。
それでは早速初めていきましょう。


アルミニウムとは?特徴と性質

アルミニウム(Al)は、軽量かつ高い耐食性を持つ金属で、鉄に代わる構造材として幅広く活用されています。
酸素と結びついて自然に酸化皮膜を形成するため、サビにくく長寿命である点が最大の特徴です。

アルミニウムの主な特徴

  • 軽量性:比重2.7(鉄の約1/3)で軽量構造に最適
  • 耐食性:酸化皮膜により屋外・水回りでも劣化しにくい
  • 加工性:押出・圧延・鋳造などあらゆる加工が可能
  • 熱・電気伝導性:放熱性に優れ、電子・空調分野でも重宝
  • リサイクル性:再生時のエネルギー消費は新地金の約3%と高効率

アルミニウムの主な用途と需要分野

アルミの用途は多岐にわたりますが、以下のような分野で特に多く使用されています。

分野主な用途代表企業・発生源
建築・建材分野アルミサッシ、外装材、雨どい、屋根部材LIXIL、YKK AP、建設・解体現場
輸送機器分野アルミホイール、車体部品、トラックボディトヨタ、日産、スズキ、自動車整備業者
家電・機械分野ラジエーター、コンプレッサー、ヒートシンクパナソニック、ダイキン、三菱電機
包装・日用品分野アルミ缶、鍋、フライパン、弁当容器清涼飲料メーカー、リサイクル業者

アルミスクラップの種類と発生工程

アルミスクラップは、純度や状態によってグレードが大きく異なります。以下は主な種類と発生元の例です。

種類特徴主な発生工程
アルミサッシ屑(サッシA/B)建材アルミ。ガラスや異物の有無でA/Bに分類建物解体、リフォーム現場
アルミホイール自動車用ホイール。ビス付き/なしで査定差自動車整備工場、タイヤ交換店
新切アルミ加工時の端材。高純度で評価が高い押出・切削工場
アルミ鋳物(ADC12など)鋳造品。エンジン・機械部品などに使われる自動車工場、鋳造工場
アルミ缶飲料缶(バラ/プレス)。塗装・ラミ加工あり家庭ごみ、回収業者
アルミ鍋・フライパン調理器具。鉄やプラスチックの付着に注意不用品回収、飲食店廃棄
アルミ被覆線内部アルミ、外部ビニール被覆付き電気工事・通信工事現場

高価買取が期待できる売却先と具体企業

アルミ精錬メーカー

  • 株式会社大紀アルミニウム工業所
  • アサヒセイレン株式会社

高価買取を実現するための販売戦略

1. 数量と品質で差がつく

  • まとまった数量(100kg以上)で交渉力が上がる
  • 異物(鉄、プラスチック)・塗装・汚れの除去を徹底し状態を良くする

2. 市況・相場の確認

  • 国内のアルミ建値、国際アルミ価格(LME)を定期的にチェック
  • 相場上昇傾向時に売却タイミングを狙う

4. 買取条件を比較・交渉

比較項目注目ポイント
支払い現金 vs 月締め
運搬引取対応の有無、自社持込可能か
計量正確で信頼できる計量器を使用しているか
相場基準当日価格・週平均価格・月平均のどれか

よくある質問(FAQ)

Q1. 塗装や異物付きのアルミでも買い取ってもらえる?
A. はい。ただし、塗装や異物の付着があると査定が下がるので可能な限り除去することが望ましいです。

Q2. 少量でも売れる?
A. 少量も対応する商社・回収業者があります。単価は少し下がることがありますが、量をまとめたり定期出荷することで改善することが多いです。

Q3. ホイールにビス・ナットが付いていても大丈夫?
A. ビス・ナット等の付属物が多いと重さだけで評価されることがあります。外せるものは外しておくとよいです。

Q4. 写真を撮って業者に見せることは有効か?
A. 影響大です。品質・付着物・状態が一目で分かる写真を送ることで査定スピードと正確性が向上します。


まとめ

アルミスクラップは、用途・等級・品質によって売却先と価格に大きな差が出ます。上質なサッシやホイール、新切れなどは最高価格帯の精錬メーカーに、合金品や鋳物は再資源化業者等、多様なルートを使い分けることが高価買取への鍵です。

ご自身のスクラップの種類・量・状態を把握し、上記の企業リスト・売却戦略を参考にすることで、より価値のある売却を目指せます。