こんにちは、非鉄金属ナビ運営事務局です。
本日は、**アルミ建値(アルミ地金建値)**について、その決まり方や実務的な活用方法、スクラップ価格への影響などを解説していきます。
アルミニウムは、自動車・建材・家電・缶材など多岐にわたる分野で利用されており、建値の変動は非常に重要な経済指標です。
🔰 アルミ建値とは?
アルミ建値とは、国内メーカー(日本軽金属やUACJなど)が設定する地金価格の参考値であり、公式な一本化された建値制度は存在していません。
代わりに、LMEアルミ価格 × 為替 + プレミアムをもとに、各メーカーが独自に販売価格(参考価格)を設定しています。
そのため「アルミ建値」とは、業界内で使われる便宜上の表現であることに注意が必要です。
📈 アルミ建値の参考ロジック(概算)
要素 | 内容 |
---|---|
LMEアルミ価格($/t) | ロンドン金属取引所のアルミ価格 |
為替(USD/JPY) | 円換算に用いる |
プレミアム(国内/海外) | 日本プレミアム、輸送費等 |
例:LMEアルミ 2,200$/t × 149円/$ + 45,000円 ≒ 373,800円 → 約374,000円/t
📊 アルミ建値の特徴と課題
- 公的に統一された価格ではないため、企業間でばらつきあり
- スクラップ業者や問屋は、相場観(LME・為替)+仕切価格で調整している
- 参考価格として「輸入インゴットの仕入れ価格」が基準になることが多い
📅 月内平均価格の活用例
アルミには「建値カレンダー」は存在しませんが、月間LME平均 × 月間為替平均に基づく算出方法が実務では使われています。
✔ 活用シーン:
- アルミスクラップの長期契約
- 貿易取引の換算レート
- 社内原価計算・請求書の単価設定
🔍 よくある質問
Q1. アルミ建値は誰が決めているの?
A. 明確な建値発表主体はありません。メーカー・商社・スクラップ業者がLMEや為替を見ながら決定。
Q2. どのサイトでアルミ建値が見れる?
A. LME価格や為替は確認できますが、建値そのものは業者独自の仕切価格を通じて間接的に把握する必要があります。
Q3. スクラップ価格との関係は?
A. アルミスクラップの価格は、地金建値+歩留まり+加工コストなどを加味して決まります。
🛠 実務での使い方
✅ LME + 為替から概算の相場観をつかむ
✅ 自社の仕切価格と照らし合わせて利益調整
✅ スクラップ買取価格や製品価格の基礎に
✅ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
発表主体 | 明確な公的機関はなし |
概算方法 | LME × 為替 + プレミアム |
月間平均 | 自社で月平均LME×為替から算出 |
表示単位 | 円/トン(企業ごとに異なる) |
活用場面 | スクラップ売買、鋳造・伸銅原料価格設定など |
🔗 関連ページ
👉 金属スクラップ解説(アルミ編)|アルミスクラップの特徴・種類・具体的売却先を徹底解説!
👉 LMEアルミ価格とTTS為替の毎日更新ページ
✍ 編集後記
アルミ建値は、銅や鉛のように公式な基準価格が存在しない分、“自分で価格を読み解く力”が問われる分野です。
非鉄ナビでは今後も、価格の動きをわかりやすく解説し、現場で役立つ知識を発信していきます。