こんにちは、非鉄金属ナビ運営事務局です。
2025年10月現在、銅建値が急騰しています。10月6日時点では165万円台が市場で話題になっており、10月1日と比較して8万円近い上昇です。
本記事では、なぜここまで銅価格が上がっているのか、その背景要因・需給動向・今後の見通しをわかりやすく解説します。
銅建値が上がった要因は主に3つ!
① インドネシア・グラスバーグ鉱山の事故
2025年9月、世界有数の銅鉱山であるグラスバーグ鉱山(インドネシア)で大規模な土砂災害が発生しました。
この事故により操業停止・供給遅延が続き、市場の供給懸念が一気に高まっています。
ポイント:
- グラスバーグは世界2位規模の銅鉱山
- 2026年までに最大60万トンの供給減が想定
- 事故直後、LME銅は**$10,485/tまで急騰**
② AI・EV・送電インフラの需要爆発
近年の銅需要は構造的に増加しています。特に以下の分野では、銅が多量に使用されます:
| 分野 | 銅の用途 |
|---|---|
| AIデータセンター | サーバー冷却・高圧電源ケーブル |
| EV(電気自動車) | モーター巻線・車載配線 |
| 送電網 | 変圧器・地中送電線・再エネ発電装置 |
世界中で再エネインフラとAI計算資源の拡充が加速しており、現物銅の調達競争が激化しています。
③ 円安の進行
銅はLME(ロンドン金属取引所)で米ドル建てで取引されます。
したがって、日本国内での「銅建値」は、ドル円の為替レートに大きく左右されます。
- 2025年10月現在:150円台/ドルまで円安が進行
- LME価格が$10,500/tでも、円安により建値はさらに高くなる
LME銅価格と建値の関係(計算式)
建値は、おおよそ以下の式で決まります:
銅建値(円/t) ≒ LME価格($/t) × 為替レート(円/$) ± プレミアム
例:
- LME:$10,500/t
- 為替:149円/$
→ 10,500 × 149 ≒ 1,564,500円
→ プレミアムを加味して 1,650,000円(=165万円) へ
今後の見通し:まだ上がるのか?
以下のような状況から、今後も高値圏の推移が続く可能性があります。
✅ 上振れ要因
- グラスバーグ鉱山の操業再開が長期化
- 円安のさらなる進行(150円超え)
- 米国の関税政策が新たに加わる可能性
- 中国の景気刺激策(銅需要の回復)
⚠ 下振れリスク
- 世界的な利上げ持続による投機マネーの減退
- 銅の代替材開発の進展
- 在庫の急回復や投機的売り
まとめ|非鉄金属ナビ編集部から
- 銅建値は2025年10月時点で165万円台に到達
- 背景には、鉱山事故・構造的需要増・円安が複合的に影響
- 今後も高値圏が続く可能性があり、業務・価格戦略への反映が急務
ここまで解説した通り、世界的な供給不足により銅の価値はかつてないほど高まっています。
これは、私たち非鉄スクラップ業界にとっても「過去に類を見ない高価買取のチャンス」が到来していることを意味します。
もし手元に銅スクラップ(ピカ線、並銅、被覆線など)をお持ちであれば、一度現在の相場を確認してみることを強くお勧めします。
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