こんにちは、非鉄金属ナビ運営事務局です。いつも当サイトをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、アルミスクラップ業界で今、水面下で起きている「かなり大きな地殻変動」についてお話しします。
単刀直入に申し上げますと、「米国・欧州の保護主義が、日本のアルミ買取価格を強烈に押し上げる」というシナリオが現実味を帯びてきています。
一見、遠い国の政治ニュースに見えますが、これは我々の現場に直結する話です。なぜなら、世界の需給バランスが崩れた時、そのシワ寄せ(あるいは恩恵)は、地理的に近く品質の良い「日本」に来るからです。
今回は、このメカニズムを「玉突き事故」のロジックで解説します。
ニュースの深層:「アルミは戦略資源」としての囲い込み
まず前提として、LME(ロンドン金属取引所)の動向や為替だけでなく、「各国の政策」が相場を動かす要因になっています。現在、米国では「相互関税」、欧州では「重要鉱物戦略」といった議論が加速しています。簡単に言えば、「自国のスクラップは自国でリサイクルして使う(リソース・ナショナリズム)」という動きです。脱炭素社会において、エネルギーコストの低いリサイクルアルミは、もはやただの廃棄物ではなく、国が囲い込むべき「戦略物資」扱いされているのです。
【核心】なぜ欧米の規制が「日本の買取価格」を上げるのか?
ここが今回の最重要ポイントです。欧米が自国の資源を「輸出しない」と決めると、アジア市場では以下のようなドミノ倒し(玉突き事故)が発生します。
- 【欧米の遮断】
米国・欧州が「自国消費」を優先し、アジアへのスクラップ輸出をストップする。
- 【アジアの飢餓】
これまで欧米材に頼っていた中国や東南アジアのアルミメーカーが、深刻な原料不足(タマ不足)に陥る。
- 【日本への殺到】
不足分を補うため、距離が近く、かつ質の高いアルミを安定供給できる「日本」へ買い注文が集中する。つまり、欧米の政策によって、日本のアルミスクラップが「アジア市場の命綱」へと格上げされるわけです。
現場への影響:買取価格の「底上げ」とチャンス
このシナリオが進めば、我々の実務には以下のような影響が出てくるでしょう。
- 買取価格の高止まり
中国や東南アジアのバイヤーが「多少高くても確保したい」という姿勢になるため、国内相場(建値ベース)以上のプレミアムがつく可能性があります。
- 輸出ルートの主役交代
採算面から見て、輸出先は欧米から「アジア」へと完全にシフトしていくでしょう。
今、どう動くべきか?
製造業やスクラップ排出事業者の皆さまにとっては、売却益を最大化する大きなチャンスです。
「いつもの業者」に漫然と出すだけでなく、「海外需要を背景にした高値買取ができる業者」を見極めることが、利益確保の鍵になります。相場は生き物です。このビッグウェーブを逃さないよう、日々の相場チェックを習慣にしてみてください。
💡 ポイント:非鉄金属ナビでは、LME価格や国内建値、為替情報を毎日更新しています。「今が売り時か?」の判断材料として、ぜひご活用ください。>>最新のアルミスクラップ価格・相場情報はこちら
今後も、現場目線で役立つ市況情報を発信していきます。引き続き、非鉄金属ナビをよろしくお願いいたします。
