銅建値(月間平均値)の計算方法!亜鉛と違う「カレンダー日加重平均」を解説

こんにちは、非鉄金属ナビ運営事務局です。
今回は、業界の中でもお問い合わせの多い「銅建値(月間平均値)の算出方法」について解説します。

結論から申し上げると、銅建値の月間平均値は公式に算出ルールが公開されていません。
そのため、本記事では過去データの傾向から“観測上もっとも整合性の高い計算方法”を紹介します。

※本記事内の算出方法は推測であり、完全一致を保証するものではありません。
あらかじめご承知おきください。


■銅建値とは?

銅建値とは、JX金属が国内向けに公表している銅の指標価格です。
国内の銅スクラップ価格や加工品価格の参考として広く使われています。

・LME(ロンドン金属取引所)価格
・為替(USD/JPY)
を国内向けに換算する指標とも言えます。


■月間平均値はなぜ存在するのか?

銅建値は日々改定されることがあるため、月ごとに記録するときは

・価格推移の把握
・継続的な契約の基準
・加工賃算定の指標

として「月間平均値」が使われるケースが多いのです。


■観測上もっとも整合性が高い計算方法(推測)

過去の多数月データを検証した結果、以下の特徴が一致します。

🟦 カレンダー日ベース(全日)での加重平均

つまり、

  • 土日を含む
  • 祝日も含む
  • 改定当日は「含む」

という仕様です。


■計算式(実例)

例:2025年9月

適用期間価格日数
9/1〜9/21,500,000円2
9/3〜9/41,530,000円2
9/5〜9/91,510,000円5
9/10〜9/111,500,000円2
9/12〜9/171,520,000円6
9/18〜9/241,510,000円7
9/25〜9/301,580,000円6

{(1,500,000×2)+(1,530,000×2)+(1,510,000×5)+(1,500,000×2)+(1,520,000×6)+(1,510,000×7)+(1,580,000×6)}➗30=1,526,387.

百円単位四捨五入で 1,526,300円

→JXの公表値と整合します。


■なぜ土日祝日を含むのか?(推測理由)

銅の価格は

・グローバル市場連動性が非常に強い
→ LMEは週末前後にも影響が残る
→ 市場変動を「連続値」で表現する必要性

こうした背景からカレンダー日平均が合理的だと考えられます。


■ただし、注意事項(重要)

構造上、月によっては…

・改定タイミングが境界ギリギリ
・丸め(四捨五入)で最終値がズレる

というケースが発生します。

このため、

「必ず完全一致する式が存在する」
とは断言できません。


■「営業日加重平均」との違い

同じ平均値でも

種類算定軸
銅建値(月平均)カレンダー日(推測)
亜鉛建値(月平均)営業日(確定)

という決定的な差があります。


■媒体としての公式スタンス

非鉄金属ナビでは、
過去の公表値と照合し整合性の高い方式を紹介していますが、
下記の立場を明確にします:

本記事内の算出方法は、業界動向・過去実績に基づく推測であり、
完全な一致を保証するものではありません。


■業務で扱う際のおすすめポイント

✅ 公表値をそのまま使用する
✅ 自社側で独自に計算式を発明しない
✅ 月初の「確定平均」が出るまで待つ

この3つを守るとトラブルがありません。


■まとめ

  • 銅建値平均の公式算出式は非公開
  • 推測ベースでは「カレンダー日加重平均」
  • 改定当日は含む
  • 四捨五入境界で例外が発生する可能性
  • 実務では公表値を採用するのが最適

銅はグローバル市場性が強く、
国内指標として紹介される月間平均には独特の“ゆらぎ”が存在します。

引き続き、非鉄金属ナビでは、
現場視点に立った情報をわかりやすく発信してまいります。