こんにちは、非鉄金属ナビ運営事務局です。
近年、日中関係の緊張が高まる中、非鉄スクラップ業界の現場でも「輸出への影響」を懸念する声が増えています。
中国は長年、日本の雑品スクラップの主要な輸出先であり、その動向は国内相場に直結してきました。
本記事では、現在の日中関係悪化がスクラップ輸出にどのような影響を与える可能性があるのか、そして現場の事業者が警戒すべき「見えない障壁」と、今すぐできる「3つの防衛策」について解説します。
1. 「全面禁輸」のリスクはあるのか?
結論から言えば、即座に「全てのスクラップ輸出が停止する」という事態は考えにくいでしょう。
中国国内の製造業にとっても、日本から輸入される高品質な非鉄金属スクラップは、依然として替えのきかない重要な資源だからです。
しかし、政治的な緊張が高まると、以下のような「間接的な制限」が強化される傾向にあります。
- 通関検査の厳格化: 税関での検査時間が長引き、貨物が港で滞留するリスク。
- 環境規制の恣意的な運用: 「不純物が多い」などの理由で、今まで通っていた貨物が突然リジェクト(受け入れ拒否)されるリスク。
⚠️ 国際情勢と相場の連動に注意
国際情勢の変化は、ある日突然、輸出停止や関税強化といった形で市場を直撃します。
「知らない間に暴落していた」という事態を避けるためにも、日々のニュースや相場の動きを注視しておくことが、初動を遅らせないための唯一の策です。
2. 現場が警戒すべき「見えない障壁」
私たちが特に警戒すべきなのは、ニュースにならないレベルの実務上のトラブルです。
例えば、中国バイヤーからの支払いの遅延や、契約キャンセルといった商習慣上のリスクです。
政治的不安は経済活動における「心理」を冷え込ませます。「日本からの荷物を買うのはリスクが高い」と現地バイヤーが判断すれば、需要は一気に冷え込み、国内相場の急落を招く可能性があります。
3. 今すぐできる「3つの防衛策」
こうした不透明な状況下で、事業を守るためにできることは以下の3つです。
- 在庫の回転率を上げる:
「もっと上がるかも」という期待は捨て、利益が出るタイミングで確実に売却する。 - 輸出以外の販路確保:
国内メーカー(炉前)への納入ルートを持つ業者との関係を強化する。 - 情報収集の徹底:
バイヤーの言葉だけでなく、客観的な市場データを常にチェックする。
💰 不安な時こそ「早めの利食い」を
リスクヘッジの基本は、不確実な未来の価格上昇を期待して在庫を抱えるのではなく、
「利益が出るうちに確実に現金化」してしまうことです。
現在はまだ高値圏での取引が可能です。
輸出環境が悪化して相場が崩れる前に、現在の適正な買取価格を確認しておきましょう。
まとめ
日中関係の悪化は、私たちスクラップ業界にとって「見えない時限爆弾」のようなものです。
楽観視せず、常に最悪のケースを想定して準備をしておくことが、厳しい時代を生き残る鍵となります。
「売り時」を逃して不良在庫化させないためにも、こまめな価格チェックを習慣化することをお勧めします。
▼ リスク回避のために、こまめなチェックを ▼

