こんにちは、非鉄金属ナビ運営事務局です。
前回に引き続き、今回は亜鉛についての振り返りと2026年の予想をしていきたいと思います。
実は亜鉛も2025年は大きく相場が乱高下した金属です。
2025年12月の国内亜鉛建値「7.5万円/トンの下げ幅は過去最大級と報じられ、私たちを含め市場関係者に大きな衝撃を与えました。
正直なところ、ここまで一気に動くとは思っていなかった方も多いのではないでしょうか。本記事では、
- 2025年のLME亜鉛価格(実績)の振り返り
- 4月に下がった理由(トランプ関税の影響)
- 12月の建値暴落の原因(LME在庫の1日急増)
- 2026年の見通し(上がる理由/下がる理由)
- 【ズバリ】2026年の想定価格
を、できるだけ分かりやすく解説していきます。
1. 2025年の亜鉛相場を振り返り(LME月間平均)
まずは事実から整理しましょう。Westmetallの「LME Zinc Cash Settlement(月間平均)」の2025年推移は以下の通りです。
| 月(2025) | LME亜鉛 月間平均(USD/t) | LME亜鉛在庫(月平均・t) |
|---|---|---|
| 1月 | 2,825 | 203,633 |
| 2月 | 2,800 | 165,243 |
| 3月 | 2,888 | 155,554 |
| 4月 | 2,625 | 152,098 |
| 5月 | 2,646 | 161,374 |
| 6月 | 2,651 | 129,594 |
| 7月 | 2,759 | 113,401 |
| 8月 | 2,784 | 76,740 |
| 9月 | 2,930 | 49,218 |
| 10月 | 3,149 | 37,535 |
| 11月 | 3,187 | 41,169 |
| 12月 | 3,181 | 71,751 |
2025年のポイント(シンプルにまとめると)
- 4月に底(2,625ドル) をつけた
- 9月以降に上昇し、10〜12月は3,100ドル台で推移
- 在庫も年後半にかけて薄くなり、相場が”上がりやすい状態”になっていた
2. 2025年4月に下がった理由:トランプ関税で市場が一気に弱気に
4月の下げはトランプ大統領の関税政策(追加関税・強化)をめぐる不透明感が強まり、市場全体が「いったん逃げよう」というムードになった影響が大きい要因でした。
当時は、関税による景気・貿易への悪影響が意識され、金属を含む幅広い市場が動揺した文脈で報じられていました。
つまり4月は、> 「亜鉛だけが弱かった」のではなく、> 「関税リスクで金属全体が売られやすかった」と捉えるのが自然です。銅の4月暴落と同じ構図ですね。
3. 2025年12月「建値7.5万円下落」の原因は?
きっかけはLME在庫の”1日急増”
2025年12月、国内の亜鉛建値はトン7万5,000円下落しました。三井金属の発表でも、12/12の586,000円 → 12/17の511,000円と確認できます。では、なぜここまで急に下がったのか?いくつか要因はありますが、今回のポイントは明確です。12月中旬にLME在庫が「1日で大きく増えた」日があったことです。Westmetallの日次データでは、
- 2025/12/15:64,475t
- 2025/12/16:95,550t(+31,075t)
と、1日で約3.1万トン増加しています。
なぜ「在庫の急増」がそこまで効くのか?
相場というのは、現実の需給だけでなく、「市場にどう見えるか(心理)」で大きく動きます。
- 在庫が少ない → 「足りないかも」→ 価格が上がりやすい
- 在庫が急に増える → 「なんだ、あるじゃん」→ 売りが出やすい
もちろん、LME在庫は世界全体の在庫の一部に過ぎません。しかし”見える数字”が急に増えると、それだけで相場心理が冷えやすい。これが12月の急落を理解するうえで非常に重要なポイントです。業界紙でも、12月の建値引き下げはLME亜鉛相場の下落と円高(ドル安)を反映したと整理されています。
4. 最近の亜鉛相場の特徴:「銅につられる」動きが強い
ここ数年、亜鉛は”亜鉛だけの理由”で動くよりも、銅など他の金属の値動きに連動しやすくなっています。理由はシンプルで、投機マネー(ファンドなど)が
- 景気の温度計になりやすい「銅」を見て
- 金属をまとめて買ったり、まとめて売ったり
する場面が増えているからです。この「銅につられる動き」は、2026年の予測でも無視できません。当メディアでは銅の2026年予想記事も出していますので、あわせてご覧いただくと全体像が見えやすいかと思います。
5. 2026年の亜鉛相場予想:上がる理由/下がる理由
ここからが本題です。2026年は「上がる材料」と「下がる材料」が両方あります。まずは両方を整理してみましょう。
5-1. 相場が上がる理由(上昇要因)
要因①:供給がすぐに増えない(=相場が上に振れやすい)
金属の供給は、需要のように簡単に増減できません。
- 鉱山の増産には時間がかかる
- 製錬所は採算が悪いと減産しやすい
- 在庫が薄いと、少しの買いでも値段が飛びやすい
特に在庫が薄い局面では、2025年後半のように相場が動きやすくなります。
要因②:投機マネーが銅に引っ張られて入ってくる可能性
これが「最近いちばん効きやすい要因」です。銅が強い相場では、亜鉛も買われやすい傾向があります。実際、2026年の銅については高値維持を見込む予想も多く出ています。「銅が上がる可能性が高いなら、亜鉛もつられて上がりやすい」この考え方は、2026年の予想の柱になります。
5-2. 相場が下がる理由(下落要因)
要因①:銅が崩れたら亜鉛も一緒に下がりやすい
銅連動が強いということは、裏を返せば銅が下がると亜鉛も巻き込まれやすいという意味でもあります。
要因②:需要が弱いままだと、在庫のニュースで簡単に崩れる
2025年12月がまさにそうでした。在庫の急増があると、相場は心理的に冷えやすい。これは今後も注意が必要です。
要因③:鉱山供給が回復すれば、上値が抑えられやすい
ベースメタル調査では、亜鉛は鉱山の立ち上がりなどで供給増が意識されやすい点も示されています。
6. 結論:2026年は「上がる理由がやや強い」→ 上昇予想
2026年は需要不安が残る一方で、
- 供給が急に増えにくい
- 在庫が薄いと相場は上に振れやすい
- さらに最近は「銅につられる」動きが強い
- そして銅は2026年も強いという見方が多い
この条件がそろうため、2026年は上昇予想とします。
【ズバリ】2026年の亜鉛 想定価格(LME)
中心想定:3,100 USD/t
想定レンジ:2,800〜3,400 USD/t
- 下振れ(2,800):銅が崩れ、リスクオフで売られる場合
- 上振れ(3,400):銅主導の買いが強く、在庫が薄いまま続く場合
「結局いくらになるんだ?」というのが皆さんの本音だと思いますので、当メディアの予測をズバリ出しました。笑
まとめ
- 2025年は4月に下がり、秋〜年末に上がった
- 4月の下げはトランプ関税による市場不安が大きい
- 12月の建値暴落は、LME在庫が1日で約3.1万トン増えたのがトリガーの一つ
- 2026年は「供給が増えにくい+銅につられる動き」で上がる予想
- 中心想定はLME 3,100 USD/t(レンジ2,800〜3,400)
在庫の急変動や銅相場の動きには、引き続き注意が必要です。当メディアでは日々の相場情報を更新していますので、判断材料としてご活用ください。
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