こんにちは。非鉄金属ナビ運営事務局です。
「工場から出る金属の端材って、産業廃棄物になるの? それとも売れるの?」「マニフェストは必要なケースと不要なケースがあるらしいけど、うちはどっち?」――こうした疑問をお持ちではないでしょうか。
実はこれ、かなり多くの排出事業者の方が悩んでいるポイントなんですね。
金属くずは、廃棄物処理法が定める20種類の産業廃棄物のうちの1つです。ただ、同じ金属くずでも、状態や取引の形態しだいでは「有価物」として買い取ってもらえるケースがあります。つまり、処分費用を支払うどころか、逆に売却益が手元に残る可能性があるわけです。
この記事では、金属くずの定義や種類といった基本情報から、処分方法と費用の相場、マニフェストの要否を左右する法律上の判断基準、そして保管時のルールまでを網羅的に解説します。初めて金属くずの処分を担当する方にも分かりやすい内容を心がけましたので、ぜひ最後までお付き合いください。
産業廃棄物における「金属くず」とは?
まずは、「金属くず」とは何を指すのか、基本的な定義と全体像を押さえておきましょう。産業廃棄物としての金属くずは、排出される業種を問わず発生するものです。製造業だけでなく、オフィスビルの解体現場、病院、小売店に至るまで、幅広い事業者が対象になります。
金属くずの定義と主な種類
金属くずは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)が規定する20種類の産業廃棄物の1つです。具体的には「鉄鋼または非鉄金属の研磨くず、切削くず、ハンダかす」などがこの分類に含まれます。
大きく分けると、以下の2つに分類されます。
1つ目は、鉄で構成された「鉄くず(鉄スクラップ)」です。鉄骨、鉄筋、鉄板、鋳物くずなどが代表的で、建設現場や製造工場から大量に発生します。発生量としては最も多く、2025年時点で1kgあたり30円~40円程度の買取価格が形成されています。
2つ目は、アルミニウム、銅、ステンレス、真鍮、ニッケル、チタン、タングステンなどの「非鉄金属スクラップ」です。鉄スクラップに比べて発生量は少ないものの、素材単価が格段に高い傾向があります。
どのくらい違うかといいますと、たとえば銅のスクラップは鉄の数十倍の単価が付きます。タングステンやモリブデンといった希少金属(レアメタル)に至っては、1kgあたり5,000円前後で取引されるケースもあるんですね。分別の仕方しだいで、これだけの経済的な差が生まれるわけです。
非鉄金属ナビでは、主要な非鉄金属スクラップの買取価格を日々更新しております。現在の相場感を把握しておきたい方は、スクラップ価格ページをご覧ください。
金属くずが頻繁に発生する業種・場面
金属くずは、あらゆる事業活動から発生しうる産業廃棄物です。代表的な排出シーンをいくつか見てみましょう。
製造工場では、金属部品の切削加工や研磨作業から「切削くず」や「研磨くず」が日常的に発生します。旋盤やフライス盤で削られた金属の切り粉、プレス加工の端材などがこれに該当します。工場発生スクラップは品質が比較的安定しているため、素材ごとに分別されていれば有価物として高値で売却しやすい傾向があります。
建設・解体現場では、ビルや住宅の解体に伴って鉄筋くず、H鋼の端材、アルミサッシ、銅管(エアコンの配管など)が大量に排出されます。解体現場の金属くずは、コンクリートやプラスチック、ゴムなど他の素材と混在しやすいため、分別の精度がリサイクル率と買取価格を大きく左右します。
小売店やオフィスビルでは、什器・スチール棚・スチールデスクなどが金属くずになりますし、病院や介護施設では、ベッドのフレーム、車いす、医療機器の筐体部分が該当します。
このように、金属くずの発生源は皆様が想像する以上に幅広いのです。「うちの業種では関係ない」と思われがちですが、事業活動を営む以上、金属くずの適正な処理は多くの企業にとって無視できないテーマといえるでしょう。
金属くずの処理方法とリサイクルの流れ
では、排出された金属くずは実際にどのような工程を経て処理・リサイクルされるのでしょうか。ここでは処理施設での具体的な流れと、その後のリサイクル工程について解説します。
先に結論をお伝えすると、金属くずはリサイクル率が非常に高い産業廃棄物です。たとえばアルミニウムの場合、リサイクルに必要なエネルギーは鉱石から新たに製錬する場合のわずか約3%で済みます。つまり約97%のエネルギーを削減できるわけで、この経済合理性の高さが金属くずのリサイクルを後押ししています。
処理施設での工程(選別・切断・圧縮)
金属くずが処理施設に搬入されると、まず「選別・異物除去」の工程に入ります。
マグネットクレーン(電磁石を搭載したクレーン)を使って鉄を吸い上げたり、渦電流選別機でアルミニウムを弾き飛ばしたりして、素材ごとに仕分けていきます。機械選別だけでは除去しきれないプラスチック片やゴム、ガラスといった異物は、最終的に人の手作業(ハンドピック)で取り除くのが一般的です。
選別が終わると、大型の重機やギロチンシャーと呼ばれる切断機で、運搬や製錬に適したサイズへカットします。さらに、プレス機で圧縮してブロック状に成形することで、輸送効率を高め、次工程の製錬所での取り扱いを容易にします。
ちなみに近年は、AI(人工知能)カメラとロボットアームを組み合わせた自動選別ラインの導入が進んでいます。ディープラーニングで学習させたAIが、コンベア上を流れる金属スクラップの素材をミリ秒単位で識別し、ロボットが自動的にピックアップする仕組みです。人手不足が深刻化する廃棄物処理業界において、処理速度と選別精度の両面で効果を上げています。
リサイクル(金属回収・精錬)と埋め立て処理
選別・切断・圧縮を経た金属スクラップは、電炉(電気炉)や転炉といった製錬施設へ送られます。ここで高温で溶解し、不純物をスラグ(鉱滓)として除去したうえで、高純度の金属地金やインゴット(鋳塊)に再生されます。
ここで注目したいのが、銅やアルミニウム、ニッケル、亜鉛といった主要な非鉄金属は、理論上は品質を一切損なうことなく何度でも繰り返しリサイクルできるという点です。2023年時点でアルミニウム缶のリサイクル率は97.5%に達しており、高度な循環型社会のモデルケースとなっています。
一方で、異物の混入が著しい金属くずや、経済的にリサイクルが成り立たないごく少量の金属くずについては、「安定型産業廃棄物」として安定型最終処分場に埋め立て処理されます。金属くずは雨水にさらされても有害物質が溶出しにくい性質を持つため、安定型処分場への埋め立てが法令上認められています。ただ、環境負荷やコストの観点から、できる限りリサイクルに回すことが推奨されているのは言うまでもありません。
金属くずの処分費用と安く抑えるコツ
金属くずの処分を検討するうえで、皆様が最も気になるのは「結局いくらかかるの?」というところではないでしょうか。ここでは、処分費用の相場感と、費用を削減するための実践的な方法をお伝えします。
金属くずの処分費用の相場
産業廃棄物として金属くずの処分を委託する場合、処分費用の目安は1kgあたり1円~40円ほどです。
ただし、この金額はあくまで「処分費」の基本単価であり、企業が実際に支払う総コストはこれだけでは収まりません。
まず「運搬費用」が加わります。処理施設までの距離、使用する車両の種類、積載量に応じて金額が変動し、遠隔地への運搬や少量での回収依頼では割高になりがちです。
次に「作業費用」です。排出元での積み込み作業、混合スクラップの仕分け、大型設備の解体に重機を使う場合の人件費や機材費が該当します。休日・夜間の対応には割増料金が発生することも珍しくありません。
さらに「事務手続き費用」として、産業廃棄物の収集運搬・処分委託契約書の作成やマニフェストの発行・管理にかかる手数料が請求される場合があります。
特に注意していただきたいのが「雑品スクラップ」の処分です。金属にプラスチック、ガラス、ゴム、油分などの異物が複雑に絡み合った状態の場合、処理施設での選別・破砕に手間がかかるため、処分費用は大幅に跳ね上がります。
有価物として「買取」を依頼して費用を削減する
ここで重要なのが、金属くずには「資源としての価値」が確かに存在するという点です。
適切に分別された金属スクラップは、処分費を支払う対象ではなく、逆にお金をもらって引き取ってもらえる「有価物」として売却できる可能性があります。
参考までに、主要な金属スクラップの1kgあたりの買取価格の目安をご紹介します(2025年時点、相場は常に変動します)。
| スクラップの種類 | 1kgあたりの買取価格(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 鉄スクラップ(鉄骨・鉄筋等) | 30円~40円 | 発生量が最も多い。炭素含有量や発生源で分類 |
| ニッケル | 50円~2,000円 | ステンレス鋼や特殊合金の原料として需要が高い |
| ハイス鋼(高速度工具鋼) | 170円程度 | タングステン・モリブデン等の添加元素を含む |
| 純チタン | 270円程度 | 航空宇宙産業や化学プラントで多用 |
| タングステン | 5,000円程度 | 超硬工具や電子部品に使用、希少価値が高い |
| モリブデン | 5,000円程度 | 鉄鋼の強度・耐熱性を高める添加剤 |
ご覧のとおり、非鉄金属や特殊金属(レアメタル)の買取価格は鉄スクラップとは文字通り桁が違います。パソコンやサーバーの基板に含まれる金、白金(プラチナ)、銀、パラジウムといった貴金属も高い経済的価値を持っています。
ここで皆様にお伝えしたいのは、費用を削減し売却益を最大化するための鍵は「発生元での徹底した分別」に尽きるということです。
たとえばアルミニウムと鉄が混ざった状態のスクラップは、最も価値の低い金属の基準で安く査定されるか、買取を断られてしまいます。一方で、素材ごとにきちんと分けてあれば、それぞれの金属が持つ本来の市場価値で買い取ってもらえます。「面倒でもきちんと分ける」ことが、結果的に最も経済的な選択なんですね。
買取単価は国際市況や為替レートの影響で日々変動しますので、複数の業者から見積もりを取り、最も有利な条件を引き出すことが大切です。最新の相場動向は、非鉄金属ナビの相場情報ページでも確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。
廃棄物か有価物か?マニフェストが必要なケースと判断基準
排出事業者の実務担当者にとって、最も判断に迷うのがこのテーマではないでしょうか。「うちの金属くずは産業廃棄物なのか、それとも有価物なのか」「マニフェストの発行は必要なのか」――この判断は、単なる呼び方の違いにとどまらず、適用される法規制やコスト構造を根本から変えるものです。
ここでは、環境省の指針や実務上の運用に基づいて、できるだけ分かりやすく整理していきます。
「有価物」と判断される4つの基準(マニフェスト不要)
金属くずが有価物として取り扱われる場合、廃棄物処理法の規制対象外となり、マニフェストの発行義務はありません。
では、何をもって「有価物」と判断されるのか。環境省の指針では「総合判断説」と呼ばれる考え方が採用されています。これは、単一の基準で機械的に白黒を決めるのではなく、複数の要素を総合的に見て判断するアプローチです。
具体的には、以下の4つの視点が重視されます。
1つ目は「物の性状(品質と安全性)」です。対象となる金属くずが、再生資源として直ちに利用できる品質を保っているか、有害物質で汚染されていないかが問われます。長期間屋外で野ざらしにされて著しく錆が進行している場合や、切削油などの化学物質がべったり付着している場合は、有価物と認められにくくなります。
2つ目は「排出の状況(計画性と管理体制)」です。製造工程から品質管理された状態で計画的・継続的に排出されるスクラップ(いわゆる工場発生スクラップ)は、性状が均一で有価物と見なされやすい傾向があります。逆に、事故や緊急的な状況下で発生したものは、品質のばらつきが大きく廃棄物と判定されやすくなります。
3つ目は「通常の取扱い形態(市場性と取引実態)」です。鉄くずやアルミくず、銅線のように、買取専門の業者が市場に多数存在し、明確な相場価格が形成されて日常的に売買が行われているものは、社会通念上も有価物としての性格が強いと言えます。
4つ目は「占有者の意思」です。排出者が不要物として処分する意思を持っているのか、売却して経済的利益を得る意思を持っているのかという点です。
これら4つの要素を満たし、排出元から引き渡される時点で明確な買取価格が設定され、運搬費を差し引いても排出事業者に利益が残る(逆有償にならない)場合、その金属くずは取引の最初から「有価物」として流通し、廃棄物処理法の規制対象外となります。
ここで特に注意していただきたいのが「逆有償」のリスクです。
金属くず自体には売却価値があっても、処理施設までの運搬費や作業費を上乗せした結果、排出事業者の手出し(持ち出し)が発生してしまう状態を「逆有償」と呼びます。この場合、法律上は「処理費用を支払って引き取ってもらっている」と解釈されるため、対象物は有価物ではなく産業廃棄物として扱われます。
資源価格は国際市況に連動して日々変動しますので、昨日まで有価物だったものが、相場の下落によって突然逆有償に陥るリスクがある点に、常に留意しておきましょう。
マニフェストが必要になるケースとは?
マニフェスト(産業廃棄物管理票)は、不法投棄の防止と適正処理のトレーサビリティを確保するために設けられた法定制度です。排出事業者が、廃棄物の種類・数量・性状・取り扱い上の注意点を処理業者に正確に伝え、各処理工程の完了を書面で確認する仕組みとなっています。
マニフェストの交付が法的義務として必須となる代表的なケースは、以下のとおりです。
まず、金属くずに買取価値がなく、排出事業者が処分費用を支払って許可業者に処理を委託する場合です。この場合は明確に「産業廃棄物の処分委託」に該当しますので、マニフェストの交付義務が生じます。
次に、実務上よく問題になるのが「到着物有価物」としての取り扱いです。排出事業者の敷地から搬出される時点ではまだ価値が確定しておらず、買取業者の施設に到着して検収を受けた段階で初めて買取価格が確定する、という取引形態があります。この場合、搬出元から買取先までの運搬区間では金属くずは法的に「産業廃棄物」として扱われるため、その区間のマニフェスト交付が必要です。
マニフェストの交付を怠ったり虚偽の記載を行ったりした場合、廃棄物処理法に基づき、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。この点はくれぐれもご注意ください。
リサイクル目的の「専ら物(もっぱらぶつ)」の特例
ここで知っておくと実務に役立つのが「専ら物」の特例です。
廃棄物処理法では、古紙、くず鉄(古銅等を含む)、あきびん類、古繊維の4品目が「専ら再生利用の目的となる廃棄物(専ら物)」として指定されています。
これらの専ら物を、その再生利用のみを専門に行う業者(専ら業者)に処理を委託する場合、処理業の許可やマニフェストの交付義務が免除されるという特例があります。つまり、くず鉄(鉄スクラップ)を専門に回収・リサイクルしている業者に引き渡す場合は、マニフェストなしで取引できるということですね。
ただし、法的義務が免除されるからといって、何の書面も残さないのは現代のコンプライアンス経営においてリスクが伴います。任意であっても受渡証や計量伝票などの記録を残し、確実にリサイクルされた証跡を保持しておくことを、我々としては強くおすすめします。
金属くずを排出・保管する際の法律上のルール
金属くずの適正処理を語るうえで避けて通れないのが、排出元での保管基準や、混合廃棄物として排出する際の注意点です。法令違反は行政処分の対象となるだけでなく、企業の社会的信用を大きく損なう要因にもなりかねません。ここでは、実務で押さえておくべき主要なルールを整理します。
産業廃棄物の6つの保管基準
産業廃棄物を排出元で一時的に保管する際には、廃棄物処理法施行規則で定められた保管基準を遵守しなければなりません。金属くずについても例外ではなく、以下の6つの基準が適用されます。
第1に「囲いの設置」です。保管場所の周囲には、廃棄物が飛散・流出しないよう囲いを設ける必要があります。金属くずの場合、コンテナやフレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)を活用して保管するのが一般的です。
第2に「掲示板・看板の設置」です。保管場所であることを明示した掲示板を見やすい箇所に設置し、廃棄物の種類、管理者名、連絡先、保管の上限量などを記載します。
第3に「飛散・流出・悪臭の予防」です。金属くず自体は飛散しにくい性質ですが、切削くずの粉末や研磨くずなど微細なものが風で飛ぶ可能性がある場合は、シートで覆うなどの措置を講じます。
第4に「汚水流出の防止」です。切削油が付着した金属くずなどを保管する場合は、雨水と混じって油分を含んだ汚水が外部へ流出しないよう、排水溝や油水分離槽などの対策が求められます。
第5に「害虫・害獣の発生防止」です。金属くず単体ではこのリスクは低いですが、食品残渣などが付着した金属くず(厨房機器の廃棄など)の場合は注意が必要です。
第6に「石綿(アスベスト)等との混入防止」です。石綿含有廃棄物や水銀使用製品廃棄物が金属くずに混入しないよう、保管場所を明確に区分する措置が求められます。
保管にあたっては、ドラム缶、コンテナ、フレコンバッグなどを素材別に使い分け、ラベルや色分けで識別しやすい状態を維持しておきましょう。
混合廃棄物として排出する際の注意点
現実の排出現場では、金属くずが他の産業廃棄物と混在した状態で発生することも珍しくありません。金属くずを他のゴミと混ぜて排出する場合は「混合廃棄物」として扱われます。
混合廃棄物は、含まれる廃棄物の種類によって「安定型混合廃棄物」と「管理型混合廃棄物」に分類されます。金属くず、廃プラスチック類、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず、ゴムくず、がれき類の5品目のみで構成される場合は「安定型」として処理できます。しかし、これ以外の産業廃棄物(汚泥、廃油、紙くず、木くずなど)が少しでも混入していれば「管理型」となり、処理費用が格段に高くなります。
特に深刻なトラブルの原因となるのが、廃石膏ボードや石綿(アスベスト)含有建材の混入です。これらが金属くずに紛れ込んでいると、処理業者から受入を拒否されるか、通常の数倍以上の処分費用を請求されることがあります。建設・解体現場の排出担当者は、分別作業の徹底と現場作業員への教育を怠らないことが肝要です。
【注意】金属スクラップヤードに関する条例と有害使用済機器
近年、金属スクラップ等の不適正な保管・処理に起因する火災や騒音、油分・有害物質の流出が全国的に問題視されています。こうした事態を受けて、法令面でも規制が強化されつつあります。
2017年の廃棄物処理法改正では「有害使用済機器」の保管等届出制度が創設されました。使用済みのエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった家電製品や、パソコン等の32品目が指定されており、これらを業として保管・処分する事業者は、都道府県知事等への届出が義務付けられています。
さらに、千葉県や茨城県など一部の自治体では、独自の「ヤード規制条例」を制定し、金属スクラップヤードの設置・運営に対して独自の許可制度や保管基準を設けています。こうした条例は今後、他の自治体にも広がっていく可能性があります。
加えて、2024年6月には「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(金属盗対策法)」が国会で可決・成立しました。銅線ケーブルや太陽光発電設備の窃盗が急増していることを受けて、金属スクラップを取り扱う業者に対し、公安委員会等への届出、売り主の厳格な本人確認、取引記録の作成・保存が法的に義務付けられます。2025年には一部規定が先行施行されており、法案全体の全面施行も進んでいます。
排出事業者の立場からすると、自社の金属くずの売却先として選定する業者が、これらの法令を遵守した適法な事業者かどうかを見極める責任がますます重くなっています。不適正な業者にスクラップを引き渡してしまった場合、コンプライアンス違反や企業評判の毀損というリスクを負いかねませんので、十分にご注意ください。
まとめ:金属くずの処分はルールを守って適切な業者へ依頼しよう
本記事では、産業廃棄物としての「金属くず」について、定義・種類から処分方法、費用の相場、マニフェストの要否、保管基準、そして近年の法改正動向まで、実務に直結する情報を幅広くお伝えしてまいりました。
改めてポイントを整理しましょう。
金属くずは、廃棄物処理法で定める20種類の産業廃棄物の1つですが、物の性状・排出状況・市場性・占有者の意思を総合的に判断することで「有価物」として扱える場合があります。有価物であればマニフェストの発行義務はなく、処分費用を支払うどころか売却益を得ることが可能です。
ただし、逆有償(運搬費等を差し引くと排出事業者の持ち出しになる状態)に陥ると、法律上は産業廃棄物として扱わなければなりません。資源価格は国際市況に連動して変動しますので、相場の動きを常に把握しておくことが重要です。
また、金属盗対策法の施行やヤード規制条例の広がりに見られるように、業界全体の透明性と適正管理を求める規制は年々強化されています。排出事業者としては、売却先の業者が適法かつ信頼できる事業者かどうかを見極める「目利き力」が、これまで以上に求められる時代に入りました。
「自社の金属くずにどれくらいの価値があるのか知りたい」「処分費用を削減できる方法を具体的に検討したい」――そうした疑問やお悩みをお持ちの方は、まずは最新の相場情報を確認するところから始めてみてください。
金属くずは、正しく分別し、適正な業者に引き渡すことで、「コスト」から「利益」へと転換できる資源です。ルールを守った適切な処理を心がけ、自社の金属くずが持つ本来の価値を最大限に引き出していきましょう。
もし何か不明点があれば、お気軽にご連絡くださいね。
1冊にまとめました
仕入れ・販売の判断材料として、そのまま活用いただける内容です。
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