こんにちは。非鉄金属ナビ運営事務局です。
「アルミ取引で言われる”日経平均”って、株式市場の話?」「NSPルールって何?仕入れ価格にどう影響するの?」――そんな疑問を抱えている方は、実際の取引現場でも少なくありません。
アルミニウム業界で日常的に使われる「日経平均」とは、証券市場の日経平均株価とはまったく別物です。日本経済新聞が毎月第1月曜日に公表するアルミ地金の「月間平均相場」のことを指し、国内アルミ取引の基準価格として業界全体に深く根付いています。そしてこの数字を元に、企業間の売買価格を自動的に決定するルールが「NSP(New Standard Price)」です。
この記事では、アルミ日経平均とNSPルールの仕組みから最新の価格推移、さらに価格に影響を与える世界情勢や関連銘柄まで、実務者から投資家まで役立つ情報を余すことなく解説します。ぜひ最後までお付き合いください。
アルミ取引における「日経平均」とは?
アルミ業界で「日経平均はいくらだった?」という会話が飛び交う場面は、仕入れ担当者や調達部門の方なら耳にしたことがあるはずです。この言葉が意味する内容を正確に理解しておくことが、価格交渉や原価管理の第一歩となります。
日経平均=日本経済新聞の「月間平均地金相場」
アルミ業界で言う「日経平均」とは、日本経済新聞社が定期的に調査し、毎月第1月曜日に公表するアルミニウム地金の国内取引向け指標価格、すなわち「月間平均地金相場」を指します。証券市場の「日経平均株価(日経225)」とは一切関係がありませんので、混同しないよう注意が必要です。
この指標は、LME(ロンドン金属取引所)の月間平均価格をベースに、ドル円の為替レートを乗じ、さらに日本向け地域割増金(対日プレミアム:MJP)、港湾での荷役費用、通関・輸送コスト、商社マージンなど、アルミが日本国内の需要家の手元に届くまでに発生するあらゆるコストを総合的に织り込んで算出されます。つまり、アルミ日経平均は「金属単体の国際価格」ではなく、「日本市場という特定地域における総合的なアルミ調達コスト」を正確に反映したマクロ経済指標です。
日本はかつて国内に複数のアルミ製錬所を有していましたが、二度のオイルショックによる電力コストの高騰で国際競争力を失い、現在は新地金の国内生産が事実上消滅、全量を輸入に依存する構造となっています。この「100%輸入依存」という産業構造が、国内取引の透明性と安定性を担保するための独自指標を必要とさせた根本的な背景です。
アルミ業界の標準ルール「NSPルール」とは
アルミ日経平均が公表されたとしても、毎月変動する価格をそのまま製品の納入価格に適用することは、サプライチェーンの下流に行くほど抵抗が大きくなります。そこで考案されたのが、「NSP(New Standard Price)ルール」です。
NSPルールとは、アルミニウム地金を材料として扱う企業間取引において、国際相場の変動を一定のルールに基づいて平滑化(スムージング)し、製品価格に反映させるための業界標準プロトコルです。特定の属人的な交渉や不透明な値引きを排除し、国際相場の変動を機械的かつ透明に国内取引へ転嫁するための仕組みとして、アルミ流通・加工業界で広く採用されています。
NSPルールの存在によって、自動車メーカーや建材メーカーといった大量消費者から、中堅・中小の加工専門業者まで、同じ「言語」で原材料費を語ることができます。価格交渉の際に「今期のNSPは○○円ですから」と言えば、業界関係者であれば即座にその意味を共有できる――それがNSPルールの大きな価値のひとつです。
NSP価格の計算方法と適用期間
NSPルールの具体的な計算ロジックを理解することで、「なぜ今このような価格になっているのか」を自社でも把握できるようになります。計算式は一見シンプルですが、その背後には業界ならではの知恵が凝縮されています。
基準相場価格の計算とエキストラ(+10円)の仕組み
NSP価格の算出は、以下の3ステップで行われます。
まず、算定対象となる過去3ヶ月間のアルミ日経平均(月間相場)の平均値を計算します。3ヶ月平均をとることで、単月の突発的なノイズ(一時的な投機筋の動きや急激な為替変動など)が相殺され、トレンドとしての価格水準が抽出されます。
次に、算出された3ヶ月平均値の1の位(一桁目)を四捨五入し、10円単位に丸めます。
最後に、四捨五入された数値に対し「エキストラ」と呼ばれる10円を無条件で加算します。これがNSP価格の最終値です。
具体的な計算例を見てみましょう。2025年1月〜3月期のNSP価格は、2024年9月〜11月のアルミ日経平均(3ヶ月平均)を元に算出されます。仮に2024年9月から11月の各月の日経平均が順に480円・477円・484円だったとすると、3ヶ月平均は480.3円となり、1の位を四捨五入して480円、そこにエキストラの10円を加えてNSP価格は490円と決定される、という仕組みです。
この「+10円(エキストラ)」という加算要素は、アルミニウム業界特有の商慣習です。地金を加工・保管・小分けして配送する流通業者や加工メーカーが負うべき最低限のオペレーションコスト、金利負担、あるいは実需家向けのジャスト・イン・タイム納入に伴うロジスティクスリスクを標準化したものと解釈されています。
3ヶ月ごとの適用期間の区切り方
NSPルールのもう一つの重要な特徴が、相場を算定する期間と実際の適用期間の間に設けられた「意図的なタイムラグ」です。1年を3ヶ月ごとの4つの四半期に分割し、過去の実績を将来に適用するこのローリングシステムは、以下のように厳密にスケジュール化されています。
| 相場の算出対象期間(3ヶ月平均を使用する月) | NSP価格の実際の適用期間 |
|---|---|
| 前年 9月〜11月のアルミ日経平均 | 当年 1月〜3月期 |
| 前年 12月〜当年 2月のアルミ日経平均 | 当年 4月〜6月期 |
| 当年 3月〜5月のアルミ日経平均 | 当年 7月〜9月期 |
| 当年 6月〜8月のアルミ日経平均 | 当年 10月〜12月期 |
このタイムラグには大きな意味があります。国際相場が急騰する局面では、過去の相対的に安かった時期の価格が適用されるため、下流の加工メーカーや最終消費者はコストショックから一時的に守られます。この猶予期間の間に、企業は最終製品の価格改定交渉を進める時間を確保できるわけです。
ただし、逆に相場が急落する局面では、市場の実勢価格が安くなっているにもかかわらず、過去の高値圏で算定されたNSP価格が適用され続けます。「市場より高い材料を買わされている」という感覚を持つ調達担当者も出てきますが、これはシステムの構造上やむを得ないトレードオフです。NSPルールは価格のボラティリティを低下させるという絶大なメリットを提供する一方で、調達部門には常に3ヶ月先の適用価格を予測し、在庫水準を最適化するという高度な資金管理能力を要求するシステムでもあるのです。
【速報】アルミ地金・日経平均の価格相場推移データ
「実際の価格はどれくらい?」という疑問は、調達担当者にとっても投資家にとっても最も気になるポイントのひとつです。ここでは、2024年〜2025年の最新データと、より長い視点での歴史的な推移を整理してお伝えします。
2024年〜2026年の最新価格推移
2024年から2025年にかけてのアルミ日経平均およびNSP価格は、歴史的ともいえる上昇局面を経験しました。以下の表に、直近の月次データと四半期NSP価格をまとめます。
| 時期 | アルミ日経平均(円/kg) | NSP価格(円/kg) |
|---|---|---|
| 2024年1月 | 387.8円 | 410円(2024年1〜3月期) |
| 2024年4月 | 462.4円 | 400円(2024年4〜6月期) |
| 2024年7月 | 455.3円 | 460円(2024年7〜9月期) |
| 2024年11月 | 483.7円 | 460円(2024年10〜12月期) |
| 2025年1月 | 493.9円 | 470円(2025年1〜3月期) |
特に注目すべきは、2024年4月にアルミ日経平均が462.4円へと急騰した点です。前期(1〜3月期)の387.8円から一気に70円以上跳ね上がっており、LMEベース価格の上昇と1ドル150〜160円台という記録的な円安が複合的に作用した結果といえます。
NSP価格で見ると、2024年4〜6月期は前期の410円から400円へと一時下落したものの、日経平均の急騰を受けて7〜12月期は460円に切り上げられ、高止まりが続きました。2025年1〜3月期には470円を記録し、前年同期(410円)と比べてキログラム当たり60円、率にして約15%ものコスト増となっています。
アルミを大量に消費する国内製造業にとって、この60〜70円/kgのコスト増は収益構造への深刻な影響をもたらし得る規模です。価格転嫁力が比較的弱い中堅・中小の加工メーカーにとっては、まさに死活問題といえるでしょう。
過去(2011年〜2023年)の推移と長期的な傾向
長期視点でアルミ地金の価格推移を振り返ると、日本のアルミ調達コストが構造的な上昇トレンドにあることがよくわかります。
2011年当時、アルミ地金の国内取引価格はキログラム当たり200円台が基準でした。その後、2013〜2015年頃にかけて円安進行を背景に徐々に水準が切り上がり、250円〜280円程度で推移する時期が続きました。2020年のコロナショック直後に一時的な調整が入りましたが、2021年からは世界的なインフレ圧力と急激な円安が重なり価格が急騰。2022〜2023年にかけては300円台から400円台への移行が鮮明となり、そのまま2024年の高値水準へと突入しました。
この15年間で、日本のアルミ調達コストはおおよそ2倍以上に膨らんでいます。アルミを多用する自動車産業、建材・住宅設備業界、電子機器業界がここ数年で相次いで価格転嫁に踏み切っているのは、この長期的なコスト上昇に正面から向き合った結果といえます。
| おおよその期間 | アルミ地金の国内価格水準(円/kg目安) |
|---|---|
| 2011〜2012年頃 | 200円台前半 |
| 2015〜2019年頃 | 230〜280円台 |
| 2020〜2021年頃 | 250〜310円台(コロナ禍含む) |
| 2022〜2023年頃 | 300〜400円台 |
| 2024〜2025年現在 | 400〜500円台 |
アルミ地金価格はどのように決まる?3つの決定プロセス
アルミ日経平均の背後には、複数の要因が絡み合う国際的な価格決定メカニズムが存在します。この仕組みを理解することで、今後の価格動向をより精度高く読むことができます。
LME価格(ロンドン金属取引所)と世界の需給バランス
アルミ日経平均・NSP価格の根本的な起点となるのが、ロンドン金属取引所(LME)におけるアルミニウムの国際指標価格です。LMEは19世紀後半から続く世界最大の非鉄金属取引所であり、ここで形成される「セツルメント価格(現物公式価格)」や「3ヶ月先物価格」は、世界中の鉱山会社、製錬業者、商社、加工メーカーが長期供給契約を結ぶ際の絶対的な基準価格として機能しています。
LME価格は、本来であれば世界のアルミニウム需給を素直に反映するはずのものです。供給が逼迫すれば上昇し、余剰になれば下落するというシンプルな原則です。ところが現代のLME市場では、実需家によるヘッジ取引以上に、巨大なヘッジファンドや商品投資顧問(CTA)、アルゴリズムトレードといった投機的資金の影響力が極めて大きくなっています。米国の金利動向やドルの強弱、グローバルなインフレ懸念を材料にアルミニウムを「インフレヘッジ資産」として売買するため、物理的な需給に何の変化もないにもかかわらず、金融市場のセンチメント変化だけでLME価格が乱高下し、それが数ヶ月後の日本のNSP価格を押し上げるといった現象が日常的に起きています。
また、中国は現在、世界のアルミニウム生産量の半分以上を占める最大の生産国かつ最大の消費国です。中国国内の需給動向を反映する上海先物取引所(SHFE)の価格と、LME価格の価格差(スプレッド)を監視する国際的なトレーダーが、両市場の間で裁定取引を行うことで、中国の不動産市況やインフラ投資の強弱がLME価格を通じて日本のNSP価格にまで波及するという構造も存在します。
日本プレミアム(Japan Premium)の交渉
LMEで決まる国際ベース価格に加えて、日本市場固有のコストを上乗せする「対日プレミアム(MJP: Main Japanese Ports Premium)」の交渉が、アルミ日経平均を形成するもう一つの大きな要素です。
対日プレミアムは、海外の資源大手(生産者側)と日本の大手圧延メーカーとの間で四半期ごとに交渉・決定されます。輸送コスト、保険料、関税、港湾での取り扱い費用などが積み上げられる形で決まりますが、世界的な地政学リスクや物流の混乱が発生した際には、この数字が大きく揺れることがあります。
2024年の事例は特に印象的でした。4〜6月期の交渉において、売り手側は1トン当たり245〜260ドルという強気な価格を提示したものの、最終決着は182ドルと、前期から約20%も下落する結果となりました。この急落の裏には、欧米による対ロシア制裁を端緒とした国際商流の大規模な玉突き現象があり、世界中のLME指定倉庫にアルミが溢れかえる状況が生まれたためです。このように、対日プレミアムは地政学的リスクによって極めて急激に変動するため、アジア地域全体の需給を示す先行指標としても注目されています。
為替レート(円建て換算)による影響
ドル建てで決定された「LME価格+対日プレミアム」は、国内取引では最終的に円建てに換算されます。この段階でドル円相場の影響を強く受けるため、アルミ調達コストにとって為替は切っても切り離せない要因です。
2024年前半から中盤にかけて進行した1ドル150〜160円台という歴史的な円安は、LMEベース価格の変動以上に国内のアルミ調達コストを押し上げる効果をもたらしました。仮にLMEの価格が横ばいであっても、10円の円安は円建てコストを数十円単位で跳ね上げます。製造業の調達担当者が為替ヘッジを検討する理由が、まさにここにあるといえるでしょう。
アルミ価格を取り巻く世界情勢と今後の見通し
アルミニウムの価格を中長期的に考えるうえで、世界の政治・経済・環境情勢は無視できません。ここでは、2025〜2026年に向けて特に注目すべき3つのテーマを解説します。
電力コストの高騰とクリーン電力確保の壁
アルミニウムの製錬(電解精製)は、製造コスト全体の約4割を電力が占めるほどの電力多消費産業です。かつて日本がアルミ製錬を廃止した理由のひとつも、電力コストの高さでした。現在は中国や中東、北欧の水力発電豊富な地域での製錬が世界の主流となっていますが、世界的な脱炭素化の要請により「再生可能エネルギー由来の電力でつくったアルミ(グリーンアルミ)」の確保が新たな競争軸となっています。
製錬所の新増設には莫大な電力インフラの整備が必要であり、環境規制強化の流れの中で容易に生産能力を拡張することが難しい状況です。丸紅が発表した2026年の世界アルミニウム需給見通しによれば、先進国でのEV向け軽量化需要に加え、インドや東南アジアなどの新興国を中心とした旺盛なインフラ需要の拡大を背景に、2026年の世界市場全体で約19万トンの供給不足が発生する可能性があると予測されています。この構造的な供給制約は、中長期的なLMEベース価格を底上げする強力な要因として働くと見られています。
米国トランプ政権の追加関税などの地政学リスク
米国トランプ政権によるアルミ輸入への追加関税(25%)は、世界の地域別プレミアム価格の再編を引き起こしています。米国向けのアルミ輸出が制限されることで、本来は米国市場へ向かうはずだった物量が他の市場に流入し、地域間の価格差(プレミアム格差)が広がる構図です。
また、欧州では炭素国境調整メカニズム(CBAM)の本格施行が進んでおり、CO2排出量の多いアルミニウムの輸入には「炭素コスト」が課される仕組みが整いつつあります。これは、石炭火力に依存する中国や一部の新興国産アルミの競争力を低下させる一方で、グリーンアルミの相対的な価値を高める効果をもたらします。地政学的な分断が深まるほど、LMEのベース価格では見えない「地域別のプレミアム格差」がアルミ調達コストを左右する比重を増してきています。
リサイクル(再生アルミ)シフトを急ぐ国内メーカー
アルミ価格の上昇と環境規制への対応を両立する切り札として、国内の主要メーカーが本腰を入れて取り組んでいるのが「再生アルミ(リサイクルアルミ)」へのシフトです。
アルミニウム最大手のUACJによれば、スクラップから製造する再生地金は、新地金製造時と比較して温室効果ガス(GHG)排出量を約97%削減できます。これは他のあらゆる金属素材と比較しても群を抜いた環境性能であり、カーボンプライシング(炭素税)の本格化を見据えると、再生アルミを積極的に使う企業のコスト競争力は着実に高まります。
LIXILやYKK APをはじめとする国内住宅設備メーカーが、再生アルミの使用比率拡大に向けた大規模な投資を進めているのも、この流れを先取りした戦略といえます。今後は「どこで、どのような電力で作られたアルミか」というカーボンフットプリント情報そのものが、製品価格に直結する時代が到来するでしょう。
1冊にまとめました
銅・アルミ・ニッケル・錫・亜鉛・鉛の予測を、仕入れ・販売にそのまま使える形で。
投資家必見!アルミ関連銘柄と株式市場への影響
アルミ価格の動向は、国内製造業の調達コストだけでなく、株式市場における非鉄金属セクターの銘柄動向にも直接影響を与えます。「アルミ株」に関心をお持ちの投資家の方にとっても、日経平均(アルミ)とNSPの仕組みを理解しておくことは有益です。
アルミニウム関連が株式テーマの注目銘柄一覧
アルミニウムを軸にした上場企業のうち、非鉄金属セクターの中核を成す代表的な銘柄を整理します。
| 銘柄名 | 証券コード | 主な事業内容 |
|---|---|---|
| UACJ | 5741 | 国内最大級のアルミ圧延メーカー。板材・押出材・箔を幅広く展開 |
| 日本軽金属ホールディングス | 5703 | アルミ総合メーカー。地金から加工品まで一貫生産体制 |
| 神戸製鋼所 | 5406 | アルミ板材で自動車・航空機向けに高シェア |
| アルコニクス | 3036 | 非鉄金属専門商社。アルミをはじめとする非鉄全般を扱う |
これらの企業は、アルミ日経平均の上昇が材料コストの増加として収益を圧迫する局面と、高い価格水準での取引が売上拡大につながる局面の両面を持ちます。特にUACJは、2026年3月期第3四半期において、マクロ環境の不確実性が残る中で経常利益ベースで前年同期比0.6%の増益を確保しています。高騰する地金価格(NSP価格)の適切な転嫁に加え、環境価値の高い低炭素アルミへのシフトが顧客から評価されている点が増益の背景として示唆されており、単純なコストの被害者ではなく、価格上昇局面を事業機会に変えている姿が読み取れます。
EV(電気自動車)の普及に伴う車体軽量化ニーズの高まりは、アルミ需要の中長期的な押し上げ要因として、非鉄金属セクター全体への関心を高める構造的なテーマとなっています。アルミ関連銘柄への投資を検討される際は、NSP価格のトレンドと為替水準を常に組み合わせて確認することをおすすめします。
景気の先行指標「日経商品指数42種」におけるアルミ
日本経済新聞社が算出する「日経商品指数42種」には、アルミニウムが構成品目のひとつとして含まれています。この指数は、食料品から工業原料まで幅広い一次産品の価格動向を一つの数値にまとめたものであり、日本経済全体のインフレ圧力や景気動向を敏感に映す「景気の先行指標」として金融市場でも注目されています。
アルミを含む非鉄金属の価格が上昇する局面は、一般的に製造業全体の原料コスト増を意味します。自動車、家電、建材、食品缶詰など、アルミを使う最終消費財の価格転嫁が進めば、それは消費者物価にも波及していきます。アルミ日経平均の動向を追うことは、マクロ経済の先読みという観点でも十分に意味のある行動といえます。
まとめ:アルミ地金の「日経平均」相場と国際動向を注視しよう
本記事では、アルミ取引における「日経平均」とNSPルールの仕組みから、最新の価格推移データ、価格決定メカニズム、世界情勢の影響、そして株式市場への波及効果まで、幅広い観点から解説してまいりました。
改めて要点を整理します。アルミ業界の「日経平均」とは日本経済新聞が毎月第1月曜日に公表するアルミ地金の月間平均相場であり、証券市場の日経平均株価とは別物です。NSPルールは、この3ヶ月平均値に四捨五入とエキストラ(+10円)を加算し、1〜2ヶ月のタイムラグをもって四半期ごとに価格を適用する業界標準の価格転嫁プロトコルです。
価格水準については、2011年当時の200円台から2024〜2025年には490〜500円台へと、15年間でほぼ2倍以上に上昇しています。2025年1〜3月期のNSP価格は470円と、前年同期比で60円(約15%)のコスト増となっており、国内製造業に大きなインパクトを与えています。価格を動かす要因はLMEのベース価格、対日プレミアム(MJP)、そして円相場の3層構造であり、地政学リスクや投機資金の動向によって想定外の変動が起きることもあります。
中長期的には、丸紅の予測する2026年の約19万トン供給不足や、再生アルミへのシフトを通じた環境価値の価格内在化など、アルミ市場を取り巻く構造変化は着実に進行しています。実務での仕入れ管理においても、投資判断においても、アルミ日経平均とNSP価格の動向を継続的に追うことが重要性を増しているといえるでしょう。
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