砲金バルブとは何か?性質・製造方法・スクラップ分類と買取価格まで徹底解説

こんにちは。非鉄金属ナビ運営事務局です。

「バルブに砲金(ほうきん)が使われていると聞いたけれど、いったいどんな金属なのだろう?」「真鍮(黄銅)との違いはどこにあるの?」「砲金のスクラップを持ち込みたいが、どう分類されて、いくらで買い取ってもらえるのだろう?」――そんな疑問を抱えていませんか。

砲金は、歴史的に大砲の砲身鋳造に用いられたことからその名が付いた銅合金です。硬くて錆びにくく、複雑な形状にも鋳造しやすいという三拍子揃った特性から、現代の給排水設備やプラント設備のバルブ(弁)として今なお第一線で活躍しています。スクラップとしての価値も銅系金属の中で上位に位置しており、正しく分類して持ち込めば、思いのほか高値で引き取ってもらえる素材でもあります。

この記事では、砲金の基本知識から真鍮との違い、バルブ製造への応用、スクラップ市場での分類基準と2026年最新の買取相場、さらに環境規制に伴う無鉛合金の台頭がリサイクル現場にもたらしている影響まで、余すことなく解説します。設備管理に携わる方にも、非鉄スクラップを扱う業者の方にも、必ずお役に立てる内容です。ぜひ最後までお付き合いください。


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砲金(ほうきん)とは?バルブに使われる銅合金の基礎知識

砲金という言葉は、金属業界や配管設備の現場ではごく日常的に使われますが、一般の方には馴染みが薄い呼称かもしれません。まずは「砲金とは何か」という出発点を、しっかりと押さえておきましょう。

砲金の読み方と元素構成

砲金の読み方は「ほうきん」です。英語では「ガンメタル(Gun Metal)」と表記されることもあります。その名の由来は、かつて大砲の砲身を鋳造するために広く用いられたことにあります。砲身には、火薬の爆発圧力に耐える高い強度と、海辺の塩分や湿気にも負けない耐食性が求められましたが、砲金はその両方を高水準で満たしていたのです。

金属学的には、砲金は「銅(Cu)に錫(スズ・Sn)を10〜20%程度添加した銅合金」であり、広義では青銅(ブロンズ)の一種に分類されます。錫が銅の結晶格子の中に溶け込むことで、純銅だけでは得られない高い耐摩耗性・機械的強度・耐食性が生まれます。この「錫が鍵を握っている」という点が、砲金の性質を理解する上で最も重要なポイントです。

JIS規格CAC406とは

日本国内でバルブ用途に最も広く普及している砲金は、日本産業規格(JIS)の「CAC406」として規定されています。旧規格では「BC6」と呼ばれていたもので、配管業界や設備業界ではこの旧名称も現役で使われています。CAC406は、鋳造性と耐食性のバランスが優れており、水道用バルブから工業用ポンプのケーシングまで、幅広い用途で採用されているスタンダードな材質です。


砲金バルブと真鍮バルブの違いを徹底比較

バルブの材質として語られる際、砲金と並んで必ず名前が挙がるのが「真鍮(しんちゅう)」です。どちらも銅を主成分とした合金ですが、その特性は根本的に異なります。なぜバルブの本体(ボディ)には砲金が選ばれ、内部部品には真鍮が使われるのか――その理由を、比較表とともに詳しく見ていきましょう。

砲金が真鍮より優れている点

砲金の主成分は「銅と錫」であるのに対し、真鍮の主成分は「銅と亜鉛」です。この添加元素の違いが、性質の大きな分岐点になります。

砲金は、錫の添加によって表面に緻密な酸化保護皮膜が形成されやすく、その結果として卓越した耐腐食性を発揮します。水道水・工業用水・海水といった様々な流体に長期間さらされても、内部が著しく劣化しにくいのが最大の強みです。加えて、耐摩耗性も高く、圧力と摩擦が繰り返されるバルブの弁座や弁体部分でも安定した寿命を保てます。

一方、真鍮は切削加工のしやすさと美しい金色の外観が特長です。旋盤でのねじ切り加工が容易で、複雑な形状を高精度かつ大量に生産できます。色味が美しいため、装飾品や内装部品にも多用されています。

比較項目砲金(青銅系)真鍮(黄銅系)
主成分と添加元素銅 + 錫(スズ)10〜20%銅 + 亜鉛
代表的なJIS規格CAC406(旧BC6)などC3604など
主な長所極めて高い耐腐食性・耐摩耗性・鋳造性優れた切削・塑性加工性、美しい黄金色の外観
バルブでの主な用途バルブ本体(ボディ)・ケーシングスピンドル(軸)・内部の精密な制御部品
外観の色調褐色・赤みを帯びた色黄色・金色に近い色
環境劣化リスク比較的低い(長寿命)水質によっては脱亜鉛腐食のリスクあり

バルブ本体に砲金、軸に真鍮が使われる理由

実際のバルブ製品は、一種類の金属だけで作られているわけではありません。バルブの最外殻となる「ボディ(本体)」には砲金が使われ、内部で開閉動作を行う「スピンドル(軸)」には真鍮が使われるのが、業界における標準的な設計です。

ボディは、配管内の流体と直接・長期間接触し続けるため、耐腐食性と耐圧性が第一です。ここには砲金の出番となります。一方、スピンドルはねじ切り加工の精度が重要で、かつ複雑な形状が求められます。加工性に優れた真鍮を使うことで、高精度かつコスト効率よく部品を製造できるのです。

脱亜鉛腐食とは何か

真鍮がバルブのボディに単独で使われにくい理由には、「脱亜鉛腐食」と呼ばれる現象があります。特定の水質(遊離炭酸や塩化物イオンを多く含む水)にさらされると、真鍮の内部から亜鉛成分だけが選択的に溶け出してしまうのです。溶け出した後には、海綿状の脆い銅の骨格だけが残り、やがてひび割れや漏水を引き起こします。耐圧性の高さが求められるバルブ本体には、この脱亜鉛腐食のリスクがない砲金の採用が欠かせません。


砲金バルブが選ばれる5つの特徴

砲金がバルブ材料として長年にわたって信頼され続けているのには、明確な根拠があります。ここでは5つの特徴に整理してご説明します。

特徴1:卓越した耐腐食性

錫の添加によって形成される緻密な酸化皮膜が、内部への腐食の進行を強力に阻害します。水道水・海水・蒸気・化学薬品など、あらゆる流体環境において安定した耐久性を発揮することが砲金の最大の強みです。

特徴2:高い耐摩耗性と機械的強度

バルブは開閉のたびに弁座と弁体が接触・摩擦を繰り返します。砲金は純銅に比べて硬度が高く、この繰り返し荷重に対して優れた耐性を持ちます。工業用ポンプのインペラや軸受けとしても採用されるほどの耐摩耗性は、長寿命なバルブを実現する土台です。

特徴3:優れた鋳造性と複雑形状への対応力

バルブの内部には、流体を通過させるための入り組んだ流路(キャビティ)が存在します。砲金はこうした複雑な中空形状を砂型鋳造で一体製造できるほど流動性・充填性が良好な素材です。

特徴4:幅広い流体・環境への適応性

水道用の給水バルブから、工業プラントの蒸気バルブ、さらには海水に常時さらされる船舶用バルブまで、砲金は幅広い流体条件・温度条件に対応します。多様な使用環境を一種類の合金でカバーできる汎用性の高さが、採用を後押しする理由の一つです。

特徴5:長期使用後も高い資源価値を持つ

砲金は銅系合金ですから、設備から取り外された後もスクラップとして高い市場価値を保ちます。正しく分類・解体して業者に持ち込めば、キログラム当たり1,650〜1,780円(2026年2月時点)という水準で買い取ってもらえます。「使い終わった後も価値が残る」という点は、設備資産の観点からも見逃せないメリットです。


砲金バルブの製造方法:砂型鋳造のしくみ

砲金製バルブは、どのように作られているのでしょうか。製造工程の核心となるのが「砂型鋳造」という技術です。この工法がなぜバルブ製造に適しているのかを、詳しく見ていきましょう。

砂型鋳造とは、けい砂に粘結剤(ベントナイト・水ガラス・樹脂など)を混ぜた鋳型を作り、そこへ溶融した金属を流し込んで部品を成形する伝統的かつ高度な製造技術です。バルブの中空構造は、鋳型内部に「中子(なかご)」と呼ばれる砂の塊を配置することで実現されます。

砂型鋳造が選ばれる3つの理由

第一に、対応サイズの幅広さです。50ミリメートル程度の小型バルブから、3,000ミリメートルを超えるプラント用の大型部品まで、同じ工法で対応できます。第二に、少量多品種生産への柔軟性です。金型鋳造と異なり、高価な金型を作らずとも鋳型が製造できるため、1個単位の試作や数百個程度の生産に経済的に対応できます。第三に、複雑な内部流路の再現性です。中子を組み合わせることで、機械加工だけでは実現困難な入り組んだ流路を一体鋳造できます。

3種類の砂型工法の特徴と比較

砂型鋳造には、粘結剤や硬化メカニズムの違いによって主に3つの工法があります。

「有機自硬性型」は、フラン樹脂などを用いて常温での化学反応で砂型を硬化させる工法です。寸法精度が高く、鋳肌が美しく仕上がる点が特長です。ただし、気温・湿度・砂中の成分によって硬化速度や強度が変動しやすいため、現場での管理が重要になります。

「生砂型」は、けい砂に粘土と水を混ぜた砂型を使う最も古典的な工法です。造型速度が極めて速く生産性に優れ、有機溶剤を使わないため作業環境にも優しい半面、複雑な形状や深い溝を持つ部品には向きません。

「CO2型」は、水ガラスと炭酸ガスの化学反応で瞬時に砂型を硬化させる工法です。砂の流動性が高く、中子の製造に非常に適しています。バルブのような複雑な内部流路を持つ鋳物の製造で力を発揮します。

砂型の工法主な結合剤・硬化メカニズム長所留意点
有機自硬性型フラン樹脂等・常温硬化寸法精度が高い。なりより性良好。鋳肌が綺麗。気温・湿度で硬化速度が変動しやすい
生砂型粘土・水分による物理的結合造型速度が速い。生産性に優れる。環境負荷が低い。方案の制約が多い。複雑な形状は不向き。
CO2型水ガラスと炭酸ガスの化学反応砂の流動性が良好。複雑な中子型の造型に適している。鋳造後の砂の崩壊性が劣る場合がある

砲金バルブのスクラップ分類と正しい分け方

設備から取り外された砲金製バルブは、スクラップとして市場に還流します。ここで重要なのが、「どのように分類されるか」によって買取価格が大きく変わるという事実です。スクラップ業者が採用している評価基準を正確に把握しておくことが、損をしないための第一歩です。

リサイクル業界における評価基準の根幹は、「不純物や異種金属(付物)がどれだけ排除されているか」という一点に集約されます。

最高ランク「付物なし砲金(特砲金)」の条件

最も高い評価を受けるのが「砲金(付物なし)」、業界用語では「特砲金」と呼ばれるものです。鉄・プラスチック・真鍮などの異種素材が一切付着していない、純粋な砲金だけで構成されている状態を指します。配管継手を完全に切断・解体した「砲金コロ」や、純粋な砲金のみで鋳造された単一部品がこれに該当します。

水道メーター(量水器)の場合、内部の樹脂製ギア・ステンレスピン・ガラス・パッキンを完全に取り除き、砲金製の外殻(ケース)のみにした状態で最高ランクの評価となります。

「込砲金・バルブ砲金」とは何か

最高ランクに次ぐのが「込砲金(こみほうきん)」、別名「バルブ砲金」です。砲金製のボディに真鍮製のスピンドル(軸)が混入した状態がこれに当たります。まさにバルブ製品の典型的な構成そのものであることから「バルブ砲金」と呼ばれています。

業界の経験則として、バルブ全体の重量比率は「砲金のボディが約80%、真鍮のスピンドルが約20%」とされており、この基準を満たすものが適正なバルブ砲金として評価されます。

ただし、バルブ砲金として認められるための前提条件が一つあります。バルブ上部の「ハンドル(握り部分)」は鋳鉄・アルミ・プラスチックで作られていることが多いため、査定に出す前に必ず除去しなければなりません。ハンドルが付いたままの状態で持ち込むと、込真鍮(こみしんちゅう)という大幅に安価なランクに格下げされるリスクがあります。

価格を大きく下げる4つの減額要因

査定額を下げてしまう代表的な要因を4つ挙げます。

第一に「ハンドルの残存」です。前述のとおり、鉄やアルミ・樹脂製のハンドルが付いたままの状態は大幅な減額対象となります。第二に「樹脂・パッキンの混入」です。配管のシールテープやパッキンが残っていると純度を損なうと判断されます。第三に「メッキの施された砲金」です。表面に亜鉛メッキやニッケルメッキが施されている製品は、溶解工程で不純物を増やすため「込真鍮スクラップ」として扱われます。第四に「ダライ粉(削り屑)」です。砲金の切削加工で生じる削り屑は、酸化・油分・鉄粉の混入があるため、固体スクラップと比べて一律に大幅減額の対象となります。


2026年最新の砲金スクラップ買取相場

砲金スクラップの取引価格は、ロンドン金属取引所(LME)の銅相場を基準としつつ、解体・選別にかかるコストと再溶解時の歩留まりリスクによって品目ごとに設定されています。

品目別買取価格一覧(2026年2月時点)

以下は、大阪府堺市に拠点を置く主要買取業者の公開データをもとにした、2026年2月下旬時点の税込買取価格です。

スクラップの品目買取価格(税込・円/kg)特徴と価格決定の根拠
砲金(付物なし)/ 特砲金1,780円異物が一切ない最高品質。解体済み水道メーター外殻やビスマス砲金(B刻印)を含む
込砲金 / バルブ砲金1,650〜1,670円砲金80%・真鍮軸20%の割合。樹脂が残るカット品やSUSピン残存品も該当
込真鍮スクラップ1,220円(参考値)メッキ加工された砲金やエコブラス(E/ECO刻印)など
メーター砲金(未解体)1,000円内部機構・ガラス等が付いたままの手間のかかる未解体品

注目すべきは、最高ランクの特砲金(1,780円/kg)と未解体の水道メーター(1,000円/kg)の価格差です。キログラム当たり780円という大きな開きが、すべて「解体の手間代」として差し引かれているわけです。内部のステンレスピン・樹脂ギア・ガラス・パッキンを取り除く解体作業は、長年の使用で固着した部品を相手にする危険で労働集約的な作業です。その工賃が価格差に如実に反映されています。

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砲金と真鍮を現場で見分ける方法

砲金と真鍮はどちらも銅合金であり、長年の使用で黒ずんだり緑青が発生したりしているスクラップを目視だけで区別するのは容易ではありません。現場ではいくつかの手法が組み合わせて使われています。

最も確実な方法は、ヤスリで表面を削って地の色を確認することです。砲金は錫の含有率が高いため、削った断面は「赤みを帯びた褐色(10円硬貨に近い色)」を呈します。一方、真鍮は亜鉛を多く含むため、削った断面は明瞭な「黄色(5円硬貨に近い色)」を示します。

また、日本のバルブ製造業界では歴史的な慣習として、製品表面に鋳造された「メーカー名やロゴの刻印の向き」が砲金か真鍮かを示す目印となっています。刻印が「横書き(水平方向)」のものは砲金製、「縦書き(垂直方向)」のものは真鍮製という業界ルールが広く共有されており、大量のバルブを流れ作業で選別する際に活用されています。


無鉛化合金がスクラップ市場に与える影響

近年、砲金をはじめとする銅合金の世界で大きな変化が起きています。「鉛(Pb)フリー化」という環境規制への対応が進む中で、新しい合金素材が登場し、それがスクラップ市場に予期せぬ影響を与えているのです。

かつて砲金には、旋盤などでの切削加工性を高める目的で微量の鉛が添加されていました。しかし、水道用バルブの鉛が飲料水に溶出して健康被害を引き起こすリスクが世界的に問題視されるようになり、日本でも水道法に基づく規制が厳格化されました。バルブメーカー各社は一斉に「鉛レス砲金(無鉛銅合金)」への切り替えを迫られています。この切り替えがスクラップ市場にもたらしているのが「合金成分の複雑化」という問題です。

ビスマス砲金(B刻印)のリサイクル特性

鉛の代替として採用された元素の一つが「ビスマス(Bi)」です。ビスマスを添加した鉛レス砲金は、製品本体に「B」という刻印が打たれています。ビスマスは、溶解炉で従来の砲金と一緒に溶かしてもスラグの異常発生や機械的強度の急激な低下を引き起こしにくいため、リサイクル現場での親和性が高い素材です。スクラップ市場では、ビスマス砲金(B刻印)は従来の「付物なし砲金」と同じ最高ランク(1,780円/kg)で安全に買い取られ、スムーズにリサイクルループに乗っています。

エコブラス(E・ECO刻印)が引き起こすパラドックス

一方で、全く異なるアプローチで開発されたのが「エコブラス(ECO BRASS)」です。これは鉛もビスマスも使わず、「銅・亜鉛・シリコン(ケイ素・Si)」を主成分とした鉛フリー銅合金で、製品には「E」や「ECO」の刻印が明記されています。引張強度と耐食性に優れ、環境対応型素材として多くのバルブや継手に採用され、急速に普及しています。

ところが、このエコブラスがスクラップになった瞬間、その「環境への優しさ」が一転してリサイクル産業の大きな障壁となります。エコブラスが通常の砲金や真鍮の溶解炉に誤って混入すると、主成分の「シリコン(ケイ素)」が重大な不純物として作用するのです。シリコンの混入は再生銅合金の結晶構造に欠陥を生じさせ、製品の強度や靭性を著しく低下させる「脆化(ぜいか)」を引き起こします。さらに、一度溶け込んだシリコンを他の合金成分を損なわずに除去することは冶金学的に極めて困難です。

このため、スクラップ業者はエコブラスを砲金として受け入れることができず、大幅に価値の低い「込真鍮スクラップ(1,220円/kg)」として別処理せざるを得ないのが現状です。

環境負荷低減のために生まれたエコ素材が、結果として既存の銅合金リサイクルフローを複雑化させ、マテリアルリサイクルの経済価値を損ねてしまうという重大なパラドックスが、現在の業界を悩ませています。現場の選別作業員は、泥や錆にまみれたバルブの表面から「B(ビスマス砲金)」と「E・ECO(エコブラス)」の小さな刻印の一文字を絶対に見落とさないよう求められており、作業負荷と責任は年々高まっています。


よくある質問(FAQ)

砲金バルブとスクラップに関して、よくいただく疑問にお答えします。

Q. バルブを配管から外したが、ハンドルを取るだけで砲金として買い取ってもらえますか?

A. ハンドルの除去は最低条件ですが、それだけでは「込砲金(バルブ砲金)」での買取となります。内部の真鍮スピンドルが混在しているからです。ただし、これは正当な評価ですので、込砲金として持ち込んでいただければ問題ありません。「付物なし砲金(特砲金)」として最高値を得たい場合は、真鍮のスピンドルも取り除いた状態にする必要があります。

Q. 砲金なのかエコブラスなのか、刻印が読み取れない場合はどうすれば良いですか?

A. 表面の汚れを落として刻印を確認するか、専門業者に持ち込んでヤスリがけや蛍光X線分析計による成分確認を依頼するのが確実です。判断に迷う場合は、買取業者に事前に相談することをお勧めします。エコブラスを砲金として持ち込むと溶解炉全体の品質に影響が出るため、業者側も厳しくチェックしています。

Q. 砲金スクラップはどの程度の量があれば売却できますか?

A. 少量でも買取に対応している業者は多いですが、持ち込み量が少ない場合は手数料や計量の最低単位が設定されているケースもあります。事前に買取業者へ電話やウェブで確認してから持ち込まれることをお勧めします。

Q. 水道メーターの解体作業は自分でやっても良いですか?

A. 解体自体は法的に問題ありませんが、長年固着したステンレスピンの引き抜きや、サンダーを用いた金属の分離は危険を伴う作業です。経験のない方が無理に解体しようとすると怪我のリスクがあるため、解体後の価格上昇(最大780円/kg)と作業の難易度・リスクを天秤にかけた上で判断されることをお勧めします。


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まとめ

この記事では、「バルブ 砲金」というテーマを中心に、砲金の基礎知識から真鍮との比較・製造技術・スクラップ分類・2026年最新の買取相場・無鉛合金がもたらす新たな課題まで、包括的に解説してまいりました。

改めて要点を整理します。

砲金は、銅に錫を10〜20%添加した銅合金(青銅)の一種であり、JIS規格ではCAC406(旧BC6)として規定されています。卓越した耐腐食性・耐摩耗性・鋳造性を持ち、バルブ本体(ボディ)の素材として最も信頼されている素材です。真鍮(黄銅)とは主成分の添加元素が異なり(亜鉛か錫かの違い)、バルブ内では砲金がボディ・真鍮がスピンドルという適材適所の設計が業界標準となっています。製造工程では砂型鋳造が採用され、有機自硬性型・生砂型・CO2型の3工法が用途に応じて使い分けられています。

スクラップとしての評価は「付物なし砲金(1,780円/kg)」「込砲金・バルブ砲金(1,650〜1,670円/kg)」「未解体メーター(1,000円/kg)」という価格ヒエラルキーで決まります。ハンドルの除去、樹脂・メッキ品の分別、刻印の確認(B刻印はビスマス砲金で高値・E/ECO刻印はエコブラスで込真鍮扱い)が適正な評価を得るための実務上の重要ポイントです。

エコブラス(ECO)は環境配慮から生まれた優れた素材でありながら、リサイクル現場ではシリコン混入による脆化リスクから砲金として受け入れられないというパラドックスが生じており、業界全体の課題となっています。

砲金バルブは、流体を制御するインフラの「静かな担い手」として現代社会の基盤を支え、使用後は高い資源価値を持つスクラップとして循環します。我々、非鉄金属ナビ運営事務局では、砲金をはじめとする非鉄金属の最新相場情報や買取に関する情報を日々発信しています。「砲金スクラップを売却したい」「相場の最新情報を確認したい」という方は、ぜひ非鉄金属ナビをご活用ください。