銅価格の今後と見通し【2026年3月最新】高騰はいつまで続く?値上がり理由と実務への影響を徹底解説

こんにちは。非鉄金属ナビ運営事務局です。

「銅価格は今後どうなるの?」「この高騰はいつまで続くのか?」「2026年の銅相場の見通しを知りたい」――そんな疑問を持つ調達担当者やスクラップ業者、製造業の方は多いのではないでしょうか。

2026年に入ってからも、銅の国内建値は2,000円/kgを超える歴史的な高値圏で推移しています。3月9日時点の銅建値は2,120円/kg。2025年初に1,430円/kgだったことを考えると、わずか1年余りで約50%もの上昇です。

本記事では、銅価格がなぜここまで上がったのか、その理由を整理した上で、J.P. Morgan・Goldman Sachs・PPC(パンパシフィック・カッパー)など主要機関の予測データを比較しながら、2026年の今後の見通しと実務で使える調達・売却タイミングのヒントまでお伝えします。

なお、当サイトでは2026年2月に「LME6金属予測レポート(2026年版)」を発行しています。本記事はそのレポートの銅セクションの内容をベースに、3月時点の最新情報を加筆・アップデートしたものです。

この記事で分かること:

  • 2026年3月時点の銅価格の現状(LME・建値・為替)
  • 銅が値上がりしている5つの理由
  • 主要5機関の2026年銅価格予測コンセンサス
  • 当サイト独自の「一点予想」と上半期・下半期のシナリオ
  • 調達担当者・スクラップ業者が今やるべきこと

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2026年3月時点の銅価格はどうなっている?

まず、現在の銅相場の全体像を押さえましょう。

LME銅価格

2026年2月のLME銅の月間平均価格は約12,951ドル/トンでした。2025年初には8,800ドル/トン前後だったことを考えると、1年間で約47%の大幅上昇となっています。

2025年9月にインドネシア・グラスバーグ鉱山の事故が起きてから相場は急伸し、第4四半期には11,950ドル台に到達。2026年に入ってからも13,000ドル前後の高値圏で推移しています。

国内電気銅建値

国内の電気銅建値(JX金属発表)は、2026年に入ってからの推移を見ると以下の通りです。

時期銅建値(円/kg)備考
2025年1月1,430年初スタート
2025年4月1,300年内安値
2025年12月1,920年末にかけ急伸
2026年1月2,050〜2,1502,000円台突入
2026年2月2,020〜2,170史上最高値圏
2026年3月9日2,120直近値(中東情勢で一時下落後回復)

2026年2月には一時2,170円/kgと過去最高値に迫る水準まで上昇しました。3月に入ってからは中東情勢の悪化に伴うリスクオフで一時2,130円まで下落しましたが、すぐに回復し、2,120円で推移しています。

為替(ドル円)

為替は2026年に入り、おおむね152〜158円/ドルのレンジで推移しています。1月の日銀利上げ(政策金利0.75%、30年ぶりの高水準)後も円安基調は大きく崩れておらず、銅建値を押し上げる要因の一つとなっています。

直近では米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けた「有事のドル買い」が強まり、一時157円台後半まで円安が進行。円安は銅の円建て価格を押し上げるため、建値への上昇圧力は続いています。


銅価格がここまで値上がりした5つの理由

銅の高騰は単一の要因ではなく、複数の構造的・短期的要因が重なった結果です。それぞれの理由を解説します。

理由①:グラスバーグ鉱山事故による供給ショック

2025年9月8日、世界第2位の銅鉱山であるインドネシア・グラスバーグ鉱山(フリーポート・マクモラン社運営)の地下坑内で大規模な泥流事故が発生しました。約80万メートルトンの湿った物質が坑内に流入し、複数の採掘レベルが被害を受けたのです。

この事故の影響は非常に深刻でした。

  • 事故直後にフォースマジュール(不可抗力条項)が宣言された
  • 同鉱山はフリーポート社の銅・金生産量の約70%を担っていた
  • 2025年第4四半期の銅販売量は事実上ゼロに近い水準まで落ち込んだ
  • 2026年初から段階的に再開しているが、事故前の生産水準比で35%の減産が続く見通し
  • 完全復旧は2027年になると見られている

この事故は、もともと逼迫していた銅鉱石の供給をさらに悪化させ、LME銅価格を一気に10,000ドル超に押し上げる引き金となりました。

理由②:鉱山供給の構造的な制約

グラスバーグ以外にも、世界の銅鉱山は構造的な供給問題を抱えています。

主要産地であるチリでは、エル・テニエンテ鉱山やケブラダ・ブランカ鉱山などの大型鉱山で生産障害が相次いでいます。コンゴ民主共和国のカモア・カクラ鉱山でも同様です。背景には、鉱石品位(グレード)の低下、水資源の不足、老朽化した設備の更新の遅れがあります。

さらに、銅精鉱の世界的な不足が製錬段階にも波及しています。2026年の年間銅精錬手数料(TC/RC)はトンあたり0ドルにまで急落しました。これは精錬所が原料を確保できないことを意味しており、精製銅の生産にもボトルネックが生じています。

国内最大手の銅製錬メーカーであるPPC(パンパシフィック・カッパー)は、2026年の世界銅地金需給を28万トンの供給不足と予測しています。PPCは日本の銅建値を実質的に決定しているプライスリーダーであり、この数字は国内の現物市場が今年も逼迫し続けることを強く示唆しています。

理由③:米国の関税政策と「戦略資源化」

米国のトランプ政権は銅を「戦略資源」として位置づけ、積極的な政策を打ち出しています。

2025年7月には銅の半製品(銅管・銅線・銅棒・銅板など)に対して50%の関税が発動されました。精錬銅そのものは現時点では対象外ですが、2026年6月30日に精錬銅への関税導入の要否が判断される予定です。もし導入が決定されれば、2027年1月から15%、2028年には30%に段階的に引き上げられる計画です。

この政策は、銅市場に地域間の価格格差を生み出しました。米国向けに事前備蓄(プレポジショニング)の動きが強まった結果、COMEX在庫は約49万トンに膨らんでいる一方、LME在庫は約14.7万トンにまで減少。米国以外の地域では銅の入手がより困難になり、LME価格の押し上げ要因となっています。

理由④:AI・データセンター・電化需要の構造的な拡大

銅は「電化の金属」とも呼ばれ、電力インフラに欠かせない素材です。現在、以下の分野で銅の構造的な需要拡大が進んでいます。

  • AIデータセンターの急速な建設拡大:大量の電力配線に銅が不可欠
  • 送配電網の更新・増強:老朽化したインフラの刷新
  • 再生可能エネルギー関連投資:風力・太陽光発電の配線、蓄電システム
  • EV(電気自動車)の普及:1台あたり従来車の3〜4倍の銅を使用

特にAI関連のデータセンター需要は今後も拡大が続くと見られ、チリの国営銅公社コデルコはマイクロソフトとの協力強化を発表するなど、テック企業と鉱山会社の連携も進んでいます。

理由⑤:中東情勢の悪化(2026年3月〜)

2026年2月末から3月にかけて、米国・イスラエルとイランの間で軍事衝突が激化しました。イランはGCC(湾岸協力会議)諸国を攻撃し、ホルムズ海峡を横断する貨物船への攻撃も発生しています。

この紛争は銅市場にも大きな影響を及ぼしています。

  • 原油価格が2022年以来初めて100ドルを突破:エネルギーコスト上昇がインフレ再燃懸念を引き起こす
  • ドル高の進行:有事のドル買いが進み、新興国通貨が下落
  • リスクオフの動き:一時的にベースメタル全般に売りが広がった

ただし、銅に関しては「供給懸念のほうが大きい」という見方も強く、ドルの修正安とともに価格は比較的早期に回復しています。中国の製造業者による押し目買いが入りやすい環境にあることも、下値を支えている要因です。

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2026年後半の銅価格見通し

主要機関の2026年銅価格予測コンセンサス

まず、世界の主要調査機関・企業が発表している2026年の銅価格予測を一覧で比較します。(当サイト発行「LME6金属予測レポート 2026年版」より抜粋)

調査機関2026年 予測価格(LME)公表時期予測の核心
J.P. Morgan約$12,075/t(年平均)2025年11月供給混乱+低在庫でタイト。Q2平均$12,500を想定
Goldman Sachs$11,400/t(年平均)2025年12月関税シナリオと在庫循環で「高値→調整」を織り込む
S&P Global Ratings$10,500/t(前提価格)2025年10月企業分析のベースケース。耐性設計の基準値
Fastmarkets$10,000〜$11,000/t2025年11月精鉱逼迫・製錬制約など不確実性を反映
PPC(国内最大手)$10,000超(年平均)2025年12月2026年需給:▲28万トン(供給不足)の見通し

各機関の予測には幅がありますが、全機関が10,000ドル/トン以上を見込んでおり、「高値圏が続く」という点ではコンセンサスが一致しています。

特に注目すべきは以下の2つです。

J.P. Morganの強気予測($12,075/t): 世界の資金フローを最も把握している金融機関であり、投機マネーの流れを加味した「実際にマーケットで起こりうる水準」として信頼性が高いです。Q2(4〜6月)に$12,500/tのピークを想定しています。

PPCの「28万トン供給不足」: PPCは日本の銅建値を実質的に決定しているプライスリーダーです。彼らが28万トンの不足を見込むということは、国内の現物市場が確実に逼迫することを意味します。日本のスクラップ業者・調達担当者にとって、最も重い数字と言えます。

非鉄金属ナビの「一点予想」

当サイトでは、上記コンセンサスを踏まえた独自の一点予想を以下の通り設定しています。

2026年 LME銅 年間平均予測:$11,800/t (参考:Reuters poll平均 $11,975/t)

方向性は「上」ですが、形は”前半高・後半調整”になると見ています。

この$11,800という数字は、J.P. MorganやGoldman Sachsが見込む「熱狂プレミアム」を少しだけ削りつつも、PPCやFastmarketsが指摘する構造的な逼迫の強さをしっかり残した位置に置いたものです。

なぜ「前半高・後半調整」なのか

上半期(1〜6月)が強い理由:

  • 米国の精錬銅関税判断(6月30日)に向けた駆け込み需要・事前備蓄が価格を押し上げる
  • グラスバーグ鉱山の復旧が段階的で、供給回復に時間がかかる
  • AI・データセンター関連の設備投資が本格化する時期と重なる

下半期(7〜12月)に調整が入りうる理由:

  • 関税判断の結果が出ることで「材料出尽くし」になりやすい
  • 上半期の高値で投機ポジションが偏り、利益確定の売りが出やすい
  • グラスバーグの生産回復が進めば供給懸念がやや和らぐ
  • 中東紛争の帰趨次第では、リスクプレミアムの剥落も

LMEベースのレンジ予測(円建て換算付き)

期間LME銅(ドル/トン)円建て概算(155円想定)円建て概算(148円想定)
2026年上半期10,000〜13,0001,550〜2,015円/kg1,480〜1,924円/kg
2026年下半期9,500〜12,5001,473〜1,938円/kg1,406〜1,850円/kg

上振れリスクとして注目すべきは以下の点です。

  • 米国が6月に精錬銅への関税導入を決定した場合、地域間の価格格差がさらに拡大
  • 中東紛争の長期化による物流・エネルギーコスト上昇
  • グラスバーグ以外の鉱山での追加的なトラブル発生
  • LME在庫のさらなる減少

下振れリスクとして想定すべきは以下の点です。

  • 中東紛争の収束による原油・コモディティ全般の調整
  • 中国経済の想定以上の減速(デフレ圧力の長期化)
  • 日銀の追加利上げによる円高進行
  • 高値圏での投機ポジションの巻き戻し

為替の影響にも注意

銅建値は「LME銅価格(ドル建て)× 為替(円/ドル)÷ 1,000」で概算できます。つまり、LME価格が横ばいでも、為替が円安に振れれば建値は上がりますし、円高に振れれば建値は下がります。

2026年の為替は、日銀の利上げ路線(円高要因)と、米国の関税政策・有事のドル買い(円安要因)が綱引きする展開が予想されます。高市政権下では追加利上げに慎重な姿勢も示されており、大幅な円高は見込みにくい状況です。


調達担当者・スクラップ業者が今やるべきこと

基本方針:「前半は攻め、後半は守る」

多くの機関が年後半に調整シナリオを意識しています。上半期は機会が出やすい反面、逆回転も速い。利確・在庫回転・ヘッジを前倒しで設計し、後半はキャッシュと在庫の安全度を上げる――この時間軸の切り分けが、2026年の損益を分けるポイントです。

調達担当者向け:分散購入が合理的

現在の銅相場は、上にも下にも振れやすい環境です。以下のような対応を推奨します。

急騰時は追いかけすぎない: 2,150円/kgを超えるような急伸局面では、必要最小限の調達にとどめ、追加発注は控えるのが無難です。

押し目局面で先行確保: 中東情勢の不安やリスクオフで建値が一時的に下がった局面(例:3月初旬の2,130円への下落時)は、先行して一定量を確保する好機と考えられます。

為替の円高局面を活用: 日銀の利上げ決定後やリスクオフ時に円高が進むと、円建ての調達コストが下がります。LME価格が横ばいでも為替だけで数十円/kgの差が出ることがあるため、為替動向も日次でチェックしましょう。

分散購入の目安: 月間使用量の70〜80%は前月までに確保し、残り20〜30%は当月のスポット購入で対応するなど、一括購入のリスクを避ける手法が有効です。

スクラップ業者向け:上半期の高値を活かした売却戦略

銅スクラップ価格は建値に連動するため、現在の2,100円/kg超の水準は売却にとっては好環境です。J.P. MorganがQ2に$12,500/tのピークを想定していることを踏まえると、4〜6月が最も有利な売却タイミングになる可能性があります。

在庫の滞留は避ける: 銅建値は1日で4万円/トン(40円/kg)動くことも珍しくなく、特に中東情勢が不透明な局面では急落リスクもあります。在庫の回転を早め、利益確定を優先するのが合理的です。

6月の米関税判断前後に注目: 米国の精錬銅への関税導入が6月30日に判断されます。導入決定なら上振れ、見送りなら一時的な調整が予想されるため、この前後の動向には特に注目しておきましょう。


銅建値の計算方法(おさらい)

銅建値がどのように決まるかを知っておくと、日々の相場観がグッと深まります。

銅建値の概算式:

銅建値(円/kg)≒ LME銅価格(ドル/トン)× 為替レート(円/ドル)÷ 1,000 + プレミアム等

例えば、LME銅が12,500ドル/トン、為替が156円/ドルの場合:

12,500 × 156 ÷ 1,000 = 1,950円/kg

ここにプレミアムや時差分の調整が加わり、実際の建値はやや上下します。当サイトの相場情報ページでは、LME価格・為替(TTS)・国内建値を毎日更新していますので、ぜひブックマークしてご活用ください。

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まとめ:2026年の銅価格は「高値圏」が続く見通し

最後に、この記事のポイントをまとめます。

現状: 銅建値は2,120円/kg(3月9日時点)。LMEは13,000ドル/トン前後の史上最高値圏で推移。

高騰の理由: グラスバーグ鉱山事故、PPCが見込む28万トンの供給不足、米国の関税・戦略資源化政策、AI/データセンター等の構造需要、中東情勢の悪化が重なっている。

主要機関の予測: J.P. Morgan $12,075/t、Goldman Sachs $11,400/t、PPC $10,000超と、全機関が高値圏を予測。当サイトの一点予想は$11,800/t(年平均)。

今後の見通し: 「前半高・後半調整」がメインシナリオ。6月の米関税判断がターニングポイントに。供給不足は構造的で、大きな下落は見込みにくい。

実務での対応: 一括購入は避け、分散購入で価格変動リスクを抑える。上半期に利確・在庫回転・ヘッジを前倒しで設計し、後半はキャッシュと在庫の安全度を上げる。

銅の相場は今後も「構造的な需要」と「景気サイクル」の綱引きの中で、ボラティリティの高い展開が予想されます。当サイトでは相場情報スクラップ価格を日々更新しています。

また、銅だけでなくアルミ・ニッケル・錫・亜鉛・鉛を含む6金属の予測を網羅した「LME6金属予測レポート 2026年版(PDF)」も無料で公開していますので、ぜひ合わせてご活用ください。

ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。



※本記事の内容は2026年3月12日時点の情報に基づいています。相場予測は当サイト独自の分析であり、将来の価格を保証するものではありません。投資や取引の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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